どうも!養豚場で楽しく勤務中、ぶたちゅうです。
家畜って臭いイメージがありますよね。
まぁイメージ通り事実です。
でもこんな疑問を持ったことありませんか?
牛と豚ってどっちが臭いんだろう?
そこで今回はその疑問を解決していきます。
牛農家さんにインタビューした情報と、私が日々の業務の中で感じた事も交えつつ、
紹介していきますね。
こんな方におすすめです。
- 牛と豚はどっちが臭いのか知りたい
- なぜ匂いに差が出るのか理由が知りたい
- 匂いが広がる影響範囲を知りたい
牛と豚ではどっちが臭いかの結論、匂いの理由、臭いの影響範囲、の順番で解説していくので、
ぜひ最後までお楽しみください
牛と豚はどっちが臭い!?
まずは結論から。
牛と豚のどちらが臭いかは豚です!
豚って何だか臭いイメージあるもんねぇ
いや、それ完全にイメージで言っているだろ
確かに結果としては豚のほうが臭いんですが、彼らは悪くないです!
体が汚いから臭いわけではなく、
デブだから臭いわけでもないんです。
どうしようもない理由があるのでその理由を次から説明していきます!
豚が臭い理由3選
牛と豚では食生活が異なる、というのが大きな理由の1つです。
牛は草食性ですが、豚は雑食性です。
実際に飼育下で何を食べるかと言うと、
牛は粗飼料というものを基本としており、それに濃厚飼料を加える形です。
対して、豚は100%が濃厚飼料です。
この2つをざっくり説明するとこんな感じです。
- 粗飼料:主成分は草です。草なのでヘルシーであり、文字通り”粗”な飼料。
- 濃厚飼料:主成分は穀物です。さらに油、脂肪、ミネラル、アミノ酸を加え、栄養たっぷり、つまり”濃厚”。
もうこの説明を見ただけで、匂いが違うのがなんとなくわかりますよね?
「ベジタリアンは臭くない」byスティーブ・ジョブズ 的な感じで、
草をメインで食べている牛の方が臭くないのです。
じゃあ「なんで豚も粗飼料にしないの?」「そっちのが安そうじゃない?」って疑問が湧きます。
これの答えは元々の食生活&体の作りにあります。
牛は元々草食性なので、草Onlyでもそれを効率的に消化吸収する為に胃袋が4つあります。
1つ目から順に、「みの」「はちのす」「せんまい」「ぎあら」として名付けられ、
焼肉屋さんで提供されてますね。
私は はちのす がむっちゃ好きです。 でもあまり置いてある店が少ないのです…
対して豚は元々雑食であり、植物も動物も何でも食べる事で体を維持してきました。
従って人間と同じく胃袋も1つであり、草だけで体を維持・成長させる事が難しいのです。
さらに加えるなら、お肉として出荷されるまでの肥育日数の差もあります。
品種や値段によっても異なりますが、牛は約500~600日、
豚は180~220日と、肥育にかける日数は2倍以上も違います。
この為、豚の方が急いで大きくする必要があり、
必然的に栄養素がもりもり入った餌を食べさせる必要があるわけです。
ま 後はへ誘うものの匂いもありますのう幸四郎が臭いわけではないですが卒業はやはり植物のいい匂いがします
濃厚飼料はタンパク質などが詰まっているので臭くなります
次の理由は人口密度です。
わかりやすい表現を使いましたが、本当は”飼養面積”と言います。
農場や飼い方によっても変わりますが、牛は一頭あたり3.6㎡。
対する豚は0.8㎡、約4.5倍の差があります。
㎡だとイメージ湧かないと思うので他の大きさに変換します。畳でいきましょう。
すると、牛は4畳に2頭、豚は4畳で9頭になります。
豚、カツカツっすね。
やっぱり満員電車って臭いじゃないですか。そういうことなんですよ。
三つ目の理由は出すうんことおしっこの分量の違いです。
前提としての説明になりますが、
実はうんこって単体で存在していて乾いていたら、そんなに臭くないんですよ。
確かに、炎天下でカラカラになっている犬の糞とか臭くないかも
ところが、水分量が増える、つまり尿と混ざることによって、アンモニア臭が強烈に発生し、
その状態で日数が立つとさらに臭気が強くなります。
じゃあそこで牛と豚を比較してみると、こうなるわけです。
- 牛の排泄量:糞→22㎏/日 尿→13㎏/日
- 豚の排泄量:糞→2㎏/日 尿→4㎏/日
そうなんです!豚、めちゃくちゃいっぱい おしっこするんです!!
なので糞に混ざってしまう水分量が圧倒的に多く、結果として豚の糞尿の方が臭くなりやすいんです。
以上、3点の理由から豚の方が臭いと言えるわけです。
牛と豚、臭いの影響範囲とその理由
さあ、ここまでの流れで見ると、「どうせ臭い豚の方が影響範囲が広いんでしょ?」と思いがちですが、
実は牛の方が広い範囲で臭いが来ます。
なぜかと言うとそれは飼育する小屋に違いがあります。
牛小屋を想像してみてください。
想像できました?
たぶんこんな感じの開放的な牛小屋が想像できましたよね。
対して、豚小屋を想像してみてください。
想像できましたか?
恐らく殆どの人はできないと思います。
なぜならば、豚は解放的な空間では飼育されておらず、関係者以外はほぼ中を見る事ができないからです。
その為、本物の豚小屋を見たことがない人が大半なはずです。
豚は牛と比較して病気に弱く、特に子豚は超貧弱です。
すぐに体を壊すし、あっという間に餓死してしまうレベルです。
その為、過酷な外気から守る為、締め切った空間で飼育されている場合が多いんです。
そしてこの環境から分かる通り、牛は、ぱーぱかぱーな空間で飼育されているので、
匂いの拡散もあっぱっぱーです。
風次第では数㎞先まで匂いが届く場合もあります。
対して豚は、換気設備の近くでは確かに臭いんですが、そこまで遠くまで臭いが運ばれることはありません。
従って影響範囲としては牛の方が広くなるのです。
ちなみにですが、運ばれる匂いは体臭やエサの匂いが殆どで、糞尿に関してはそこまでひどくなかったりします。
なぜならば牛も豚も糞尿処理はめちゃくちゃ気を使っていて、堆肥化する施設で早急に処理をしています。
ここで「糞尿が混ざって放置するとアンモニア臭が~」と言いましたが、
逆に、放置せずに糞尿を分離しつつ、攪拌して空気を混ぜて発酵させてやれば、
嫌なアンモニア臭ではなく、きちんとした堆肥の良い匂いになってくれます。
まとめ
如何だったでしょうか。
今回はこの3点についての記事でした。
- 牛と豚ってどっちが臭いの?:豚!
- その理由はなんで?:食べ物・人口密度・尿が多い の3点
- 匂いの影響範囲はどうなの?:牛のほうが開放的に飼っているので牛!
客観的な事実としてここまで書いてきましたが、
ぶっちゃけ働いていたら慣れるので、
「自分の所は臭くなくて、他の所の方がが臭いんじゃね?」という風に感じます。
僕も実際に職場に行くと豚の匂いで落ち着きますし、「いい匂いだなぁ」と思います。
なので客観的事実はあるものの、結局は心持ち次第なのかもしれませんね!
直接匂いを感じる機会は多くないかも知れませんが、もし畜産が盛んな地域にいったときは、
是非窓をあけてドライブしてみてください。
入ってくる匂いから「牛かな?豚かな?」って想像してみるのも面白いと思います。
慣れてくると一発で判断できるようになりますよ~!
それでは、最後まで読んでいただいてありがとうございました!
またよろしくお願いします。