豚に関することわざ一覧【世界中から42連発!】

どうも!養豚場で楽しく勤務中、ぶたちゅうです。

勤務中にふと思いました。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

豚に関することわざって、何があるんだろう?

まず思いつくであろう代表的なことわざとその意味がコレ。

  • 豚に真珠:価値がわからない人に高価なものをあげても無駄だ。
  • 豚もおだてりゃ木に登る:能力が無い人でも良い気分にさせれば成果を出す。

他にもあるかと思い調べてみたら、出るわ出るわ。
世界中からたくさん出てきました。

そこで今回は世界中の豚に関することわざや慣用句を纏めます。

それぞれの意味も説明していくので、
「あのことわざの意味、なんだっけ?という方は必見です。

また、「日本以外のことわざも知りたい」「誰かに話せる雑学知識を知りたい」という方にも
オススメの内容となっています。

この記事を読むことで、こんな事が解決します。

  • ことわざの正しい意味がわかる
  • 今まで知らなかったことわざの知識が増える
  • ことわざの珍しい知識が知れる

養豚場で実際に働いている経験に加え、
世界中のことわざを調べたからこそわかる考察も記載しますので、
是非最後まで楽しんでいってください。

豚に関することわざ 世界から42連発!まずはド定番のことわざから

まずはこちらから。

冒頭で紹介した二つのことわざの意味と語源を解説します。

豚に真珠

意味:価値がわからない人に高価なものをあげても無駄だ。

「何故、豚なんだ?」と思いません?
猫に小判、犬に論語 は人間に最も近いペットである動物たちを例にしているのでスムーズに理解できます。

でも豚って、豚肉は食べてはいるけど養豚農家以外の人にとっては身近じゃありませんよね。

では何故豚が引き合いに出されたかと言うと、
実は、この表現は聖書から引用してきた表現なんです。

「Do not give what is holy to the dogs, neither throw your pearls before the pigs」

日本語訳:聖なるものを犬にやるな。また、真珠を豚に投げてやるな。

『新約聖書』マタイ伝・7章第6節より

卑しい物の代名詞として新約聖書で登場し、
そのまま日本のことわざとしても定着したという訳です。

ちなみに、その後はこう続きます。

恐らく彼らはそれらを足で踏みつけ、向きなおってあなたがたにかみついてくるであろう。

そんなに貶める必要ある?
かわいそうじゃない?

そして養豚農家から言わせてもらえば、あいつらはそんな事しても噛みついてこないです!
ただ、真珠食べるだけです!

豚もおだてりゃ木に登る

意味:能力が無い人でも良い気分にさせれば成果を出す

語源としては会津地方の囃子言葉ですが、
全国的に広まった経緯はタツノコプロの名作アニメ『ヤッターマン』が起源です。

監督の出身地である会津地方では一般的に使われていた言葉であり、
その響きが気に入った監督が作中で使用した事により、
全国的にこの言葉は市民権を得ていく事になりました。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

とんでもないインフルエンサーだな!

詳しくはWikipediaに掲載されているので、
興味あるかたはそちらもどうぞ!

良い意味のことわざと解説

ここからはマイナーなことわざも含めて、
世界中の豚に関することわざや慣用句を紹介していきます!

ここからは数も多いので語源はすっ飛ばしてさくさく意味だけ解説していきます。

まずは良い意味のことわざを世界の地域別に見ていきましょう。

日本編

・・・・・・・・・

いや、いきなりつまずいたぞ・・・

日本の豚が登場することわざの中で、
良い意味の物が一つもない・・・

ぶたちゅう
ぶたちゅう

マジかよ。蔑まれすぎだろ。あいつらもいいとこあるし!!

仕方がないんで次にいきましょう!

アジア編

「土鍋の中の豚」(タイ):

自分の手の中にある人や物など、どうにでもなる物の事

料理寸前の豚を美味しい物、喜ばしい物として表現していますね。
類似表現として「小屋の中の豚」とも言います。

一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい。

三日間、幸せになりたかったら結婚しなさい。

八日間、幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい。

永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい。(中国):

心穏やかに過ごす事は人生に永遠の幸福をもたらす。

最上級は釣りですが、結婚より上に豚が入ってるってすごいですね。

中国は世界一の豚肉大国なので豚の扱いが高いのかも知れません。

北米・南米編

Every man bastes the fat hog.(太った豚には皆がタレを塗る)(アメリカ):
富が富を呼ぶ

富の象徴として描かれています。

buy a pig in a poke(袋の中の豚を買う)(アメリカ):

どんなものかよく調べないで衝動買いをする

ことわざというより格言に近いかも知れません。

「買った袋から豚が出てきてショック!」ではなく、
「豚が入っていると思ってウキウキで買ったのに犬が入ってるんだけど!!」
がこの言葉の意図です。

現代はネットの発達で事前に口コミが調べられるので、
こんな状況になる可能性は減ってきているのかも知れませんね。

クローバーの中の豚(アメリカ):贅沢三昧で幸せな暮らしをする様

クローバーには「wealth(財産)」、「fame(名声)」、「faithful lover(満ち足りた愛)」、「glorious health(この上ない健康)」の意味があるのでそこから来ている表現かなと思います。

ヨーロッパ編

Schwein haben(豚を持つ)(ドイツ):運が向く

思いがけず美味しい物がもらえて幸せ~!的な感じですね。

ブタの背中に乗っている(アイルランド):幸せで、人生に成功している

ゆったりして順調な人生を送っている、って話です。

一人は羊の、一人は豚の毛を刈る(オランダ):利用可能な資産を最大限に活用すること

存分に利用価値がある羊の毛だけではなく、豚の毛もしっかり使ってやろう、という話なのかな?

焼かれた豚が歩いている(イタリア):思いがけない幸運がやってくる

ドイツの「豚を持つ」と同じニュアンスですね。

とうもろこしが減ると豚が増える(ドイツ):誰かが得をしたら別の人が損をしなければならない

豚、めっちゃトウモロコシが好きなんですよ。
エサにとうもろこしを多めに入れると食いつきいいです。

ベーコンを求めてソーセージを投げる(ドイツ):少ない努力で大きなものを成し遂げようとする

ドイツのベーコン、超でっかいらしいです。
ってか投げてどうやってとるんだろう?

悪い意味のことわざと解説

引き続き、悪いことわざを紹介していきます。
どんどんいきましょうー!

日本編

豚に念仏、猫に経:
どんなに立派な教えも、それを理解できない者に言い聞かせたところで、何の意味もなさない

豚に真珠と同じ意味ですね。

豚を盗んで骨を施す:大きな悪事の償いに小さな善行をする

いや、これ善行じゃなくて煽ってるでしょ。
されたらめっちゃくちゃムカつくと思います。

ちなみにイギリスも同じような言葉があるそうです。

アジア編

豚児(とんじ)(中国):自分の息子を謙遜していう言葉

「いやー、うちの息子なんか豚みたいなもんでさー」ってことで愚息と同じニュアンスですね。

封豕長蛇(ほうしちょうだ)(中国):めちゃ貪欲な人や行為のこと

「封」→大きい、「豕」→豚 ってのと、「長」い「蛇」。

つまりどっちも大きくて何でも食べちゃう。転じて貪欲な人、って事らしいです。

遼東の豕(りょうとうのいのこ)(中国):世の中の常識を自分だけが知っていると思い込んで得意がること

井の中の蛙と一緒ですね。

遼東地方で生まれた珍しい豚を王様に渡そうとしたら、
王様の近くの町の豚は全部その珍しい豚だった。

ってのが由来です。

豚のしっぽにこびりついた土(タイ):仕事をどんどん片づけないと溜まってどうしようもなくなるよ

実際には意外とこびりつかないんだけどね。
ついた汚れは仲間と押し合いへし合いしているうちに自然ととれちゃうので結構キレイなもんです。

北米・南米編

when pigs fly(豚が飛ぶとき)(アメリカ):絶対にありえないこと

ぶたちゅう
ぶたちゅう

僕とデートしないかい?

キレイ目女子
キレイ目女子

いいよ!豚が空を飛ぶときね!

こんなムカつく断り方あるだろうか!?

bring one’s pigs to a fine market(豚を立派な市場に運ぶ )(アメリカ):売り損する。予想が外れる。

立派な市場にもっていけば高く売れそうな気がするが…

make a pig of onese(豚になる)(アメリカ):大食いする。

日本と一緒ですね。

Lead a pig to the Rhine, it remains a pig.(ライン川へ豚を連れて行っても、豚は豚のままである)

(アメリカ):立派な場所へ連れて行ってもダメなものはダメなまま

もはや豚をそこへ連れていくあなたがダメな飼い主ですよ。

The worst hog often gets the best pear.(一番駄目な豚が、一番いい梨をものにすることが多い)(アメリカ):

落ち着いてやれば幸運が手に入る

慌てる乞食はもらいが少ない、と同じような意味ですね。

The young pig grunts like the old sow.(若い豚は、年をとった雌豚と同じように鳴く)(アメリカ):
若者は、年長者の悪い癖をばかり真似をする

未来のこどもたちに恥ずかしくない大人でありたいですね。

豚の耳にする(イギリス・アメリカ):台無しにする

なんでだろう?豚の耳は使い道がないから?でもミミガーになるぞ?
調べても由来が不明でした。

豚の耳から絹の財布は作れない(イギリス・アメリカ):粗末な素材からは高級なものはできない

確かに絹はできない。でも!実はHERMES(エルメス)やGUCCI(グッチ)の鞄にも豚皮は使われてます。
十分高級素材になるポテンシャルは持ってる!

豚のしっぽより曲がっている(ニカラグア):悪運に見舞われる

予想もしない方向から曲がってくるからかなのかな?
くるんとしたしっぽは豚のトレードマークですもんね。

ちなみに猪はまっすぐです。

全ての豚にその土曜日はやって来る(ニカラグア):さぼっていた者にはかならず報いがくる

ニカラグアでは豚のと畜は土曜日に行うそうです。
そこから、土曜日がくる=と畜される=報いが来る、という流れです。シャレオツな表現だ。

ヨーロッパ編

オオカミを牧童にし、豚を野菜畑の番にする(ウクライナ):絶対にダメだとわかっている事をさせる

そりゃ食べるわな。根こそぎっすわ。

豚が樽栓を咥え逃げる(オランダ):監督不行き届きで大変な目にあうこと

豚ちゃんは好奇心旺盛だからなぁ。

柵を開けたままだと豚は逃げ出す(オランダ):不注意から災害がおきる

上のことわざと似ていますね。
どちらかと言えば「子供がいたずらする」とかそんなニュアンスで使うことわざなようです。

豚にマーガレットの花を投げる(スペイン):無駄な事に労力を使う

豚に真珠と同じテンションですね。

どの豚にも聖マルティヌスの日が来る(スペイン):誰にでも年貢の納め時が来る

ニカラグアの土曜日にと畜する話と似ていますね。

腹を突き刺された豚(オランダ):既に決められた事はどうにもならない

まな板の上の鯉、と同じですね。

島国の日本は魚、豚に縁が深いオランダは豚。
遠い土地でも近しいニュアンスのことわざが生まれるって面白い。

その他の慣用表現

良い悪いではないその他のことわざに加え、
ことわざではなく慣用句的な表現や人生訓、格言もいくつか紹介します。

夜の豚はどんぐりの夢を見る(イタリア):一番望んでいるものが夢に出てくる

想像するとかわいらしいですね。爆睡している子豚はだっこしても起きません。超かわいい。

A good servant should have the back of an ass, the tongue of a sheep, and the snout of a swine.(アメリカ):
ロバのように丈夫で、羊のように従順で、豚のように何でも食べるのが良い召使いである。

おおう…なかなか強烈なインパクトがある格言…

シュバインアルバイト(schwein arbeit) 豚のバイト:汚い仕事、溶接作業

これは両方向に失礼な表現だな…溶接工の立場が低いんですかね?

Swine, women, and bees cannot be turned.(豚と女と蜂は、思い通りにできない)(アメリカ)

この中では豚が一番思い通りになると思う。

坂を転げ落ちる豚よりも醜い(アルゼンチン):非常に醜いこと

いや、もう悪口じゃん。

初雪の中の豚みたいに素敵(ウクライナ):非常に醜いことに対する皮肉

それも悪口じゃん。

What can you expect from a pig but a grunt?:豚に対しては鳴き声以外何も期待できない

でら直球な悪口じゃん!

考察

ここまで調べた結果、3点の事がわかりました。

圧倒的にネガティブなことわざが多い!!

世界中で豚はネガティブの象徴としてとらえられる事が多いです。

汚い印象が多いのですが、
飼い方のせいで随分偏見を受けていると思います。

とは言え、それも、
何でも食べる=残飯でOK=汚い印象=飼い方も汚くなるというな流れで負のスパイラルに陥ったようです。

たまごが先か鶏が先か、じゃないですが、
汚い印象が先か、汚い飼い方が先か、という話ですね。

②ヨーロッパでは比較的良い表現も多い

豚を飼う歴史が比較的長く、食糧として様々な手法で身近にいた存在な為、
幸運の象徴として扱われる事も多いです。

豚を持つ、で幸運が訪れるってのは個人的にはほんわかして好きです。

③日本は豚に関する表現が少ない

これは日本と養豚の歴史が関係しているかと思います。

日本で養豚業が盛んになったのは、明治時代以降です。
大久保利通のこんな発言から始まりました。

大久保利通
大久保利通

欧米に追い付くぞー!その為には肉だー!肉食うぞー!!!

ここから食肉需要が激増、それに従って養豚も一気に活性化しました。

そして、明治ってたかだか150年前なんです。

xxxx
xxxx

おろろ?そうなのでござるか?

なので、ことわざになるほど昔から豚との関わりがあった訳ではないんです。
だから日本には豚に関することわざが少ないんですね。

まとめ

如何でしたでしょうか?
世界のことわざ、怒涛の42連発。

7対3で悪口でしたね!笑

日本以外のことわざは知らないものが殆どだと思います。
(僕も今回しったものが大半です)

ぜひ、日常生活でさらっと使って、周囲をびびらせてやってください。

そして、豚ちゃんのかわいさに思いを馳せていただければ嬉しいです!

それでは、また会いましょう!

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