どうも!ぶたちゅうです。
農業関係の仕事って自然の中で植物や動物に囲まれて、
悠々自適にスローライフ、みたいなイメージありますよね。
でも反面、こんな事も思っていませんか?
楽しいかもしれないけど、泥まみれで朝から晩まで働いて、給料は安いんでしょ?
ところが、最近はITを使った「スマート農業」だったり、SNSを活用して高単価での販売ができたり、
昔と比較すると随分状況が変わっているように見えます。
実際、僕も流れが変わってきていると感じたのでIT業界から畜産業界へ転職をしました。
ということで、今回は「農業界の所得って実際どうなの?」「安いって聞くけど金額としてどれくらいなの?」
「他業種と比較してどれくらいなの?」という給与に関しての疑問を纏めています。
転職時に調べた内容に加えて、各業界の現場の方々と実際に話した内容も記載していきますね!
対象は「興味あるから職種を選ぶヒントにしたい」
「脱サラって可能なのかな?」という緩めに興味がある方向けなので、
ディープに将来設計の指針として情報を求めている方にはちょっと物足りないかも知れません。
また、後半では【独立するならオススメの業種】も合わせて紹介しますので、
よければ最後まで楽しんでいってください。
では早速!
農林水産省のデータを拝借しました。(平成30年度版)
※それ以降のデータが無いのがなんだかちょっと闇を感じますが気にせずいきましょう!
まず全体の平均年収としては884万円です。
あれっ!?マジで!?すげー高い!?
日本全体の平均年収は503万円なので既に「農家は安い」が幻想な雰囲気が漂ってきました…
次はもう少し業種を細かくしてみていきましょう。
年収:319.2万 経費:246.8万 利益:72.4万
おおお…一気にさがったな、オイ…
大丈夫かよ、米農家…これでやっていけているのか?
ってことでもうちょい深堀してみます。
専業農家:38.2% 兼業農家:61.9%
ああ、納得。大半が兼業農家さんなようなので、稲作がメインの収入ではないようです。
ってことで専業農家が大規模にやってしっかり利益を出す一方で、兼業農家は非常に小規模で収入としては少ない、
従って平均としては約320万に落ち着く、って事ですかね。
また、兼業農家ができる理由として労働時間が短めということがあります。
具体的には12ha程度の農地で稲作をやると、年間の労働時間が、
大体、土日祝+有休をしっかり使ったサラリーマンくらいになります。
12haって全然イメージわかないので例えると、東京ドーム2.5個分くらい。
いや、それでも地方民にはイメージわかないし。
別のもので例えると、大体小学校の校庭12個分です。
相当な広さですがそれでもホワイト企業並みの休みがしっかりとれるんですね。予想外…
小規模ならば土日や平日の空き時間でやれちゃうのも納得です。
平均年収:1076.6万 経費:759.9万 利益:316.7万
お!専業で食っていける利益額になってきましたね。
利益が316万ですが、たぶん本当の可処分所得はもっとあると思います。
経費の中には食費を中心とした生活コストも恐らく混ぜ込まれているので、
サラリーマンの年収316万ほど、カツカツの生活ではないでしょう。
ちなみに畑作の中でも業種によって大きく違います。
露地野菜:836万 施設野菜:1589万 果樹:672万 露地花き:739万 施設花き:1860万
年収ベースなので利益としては多少変動すると思いますが、
初期投資の大きい施設野菜の方が収入は大きいようですね。
(ビニールハウスなどの初期投資が嵩むので露地野菜よりは参入障壁が高い)
平均年収:7433.6万 経費:6553.8万 利益:879.8万
おお!跳ね上がった!
というか収入と支出の桁がエグくなってきましたね。
ちなみに牛関連の平均なので業種の内訳だとこうなります。
酪農:7571.6万 繁殖牛:1303.1万 肥育牛:1億3426.1万
こちらも年収ベースの数字なので利益とは違いますが、ついに1億越えが出てきましたね!
ちなみに繁殖牛と肥育牛ってのはこんな内容です。
- 繁殖牛→子牛を産ませ、育てて農家さんに販売する業種
- 肥育牛→所謂、肉牛の飼育。自家で産ませる場合と子牛を購入する場合がある
夢がある利益額になってきましたが、収入と経費がこれだけ大きいと、
経営に失敗すると一発で大きな借金を抱える事になりそう…一長一短っすね!
平均年収:2億9104.5万 経費:2億7229万 利益:1875.5万
金額大きいですね!
養豚場の格言に「養豚は右手に糞、左手に金を掴む」というものがあるそうです。
この金額を見れば納得ですね。
しかも2000頭以上の規模に限定すると、平均年収が約9億円に跳ね上がります。
養豚やべぇな。
※2000頭ってのが何を基準にしているのか記載がないので不明ですが、恐らく年間出荷頭数かと思います。
平均年収:2億516.3万 経費:1億9364.4万 利益:1151.9万
この金額感に慣れてきたけど冷静に考えると平均がコレって畜産はすごい業界だな…
ちなみにこれも養鶏全体の話なので、内訳も載せときます。
鶏卵:2億5537.1万 ブロイラー(鶏肉):1億5299.5万
引き続き年収ベースですがちょっと鶏だけ今まで違うデータを見つけました。
基本的に年収と利益は比例の関係で、年収が下がれば利益も下がります。
ところが!鶏は利益率が卵と肉で全然違います!
面白いので金額を紹介しますね。
鶏卵利益額:781.4万 利益率3.04% ブロイラー(鶏肉)利益額:1522.4万 利益率9.95%
ほお…やるならブロイラー一択っすねw
この理由はまた調べて追記しますね!
ということでざっくりですが業界と年収の纏めでした!
ちなみに情報ソースは農林水産省の掲載データを参照しています。
完全に余談ですが、
このデータの置き場所がむっちゃ分かりにくい上に、
非常にエキセントリックな配色で作成されています。
(画像参照)
もう見辛い事この上ないですw
というか見せる気がないのかも知れないと思うレベルw
相当気合いを入れて分析しないと心が折れるレベルなので、
データ作成の反面教師として一度元データも覗いてみてくださいw
農業だけで調べると意外と高いなーってのが見えてきましたが、
お次は世の中の他の業界と比較してみましょう。
- 1位. コンサルティング業界 平均年収947万円
- 2位. 金融/保険業界 平均年収757万円
- 3位. メディア業界 平均年収741万円
- 4位. エネルギー業界 平均年収682万円
- 5位. 不動産業界 平均年収674万円
- 6位. 飲食業界 平均年収668万円
- 7位. 運輸業界 平均年収654万円
- 8位. 医療業界 平均年収642万円
- 9位. エンタメ業界 平均年収637万円
- 10位. 建設業界 平均年収627万円
- 11位. 情報通信業界 平均年収610万円
- 12位. メーカー業界 平均年収606万円
- 13位. IT業界 平均年収603万円
- 14位. 流通業界 平均年収584万円
- 15位. 農林水産業界 平均年収582万円
- 16位. 教育業界 平均年収578万円
- 17位. 人材業界 平均年収536万円
- 18位. アパレル業界 平均年収509万円
- 19位. サービス業界 平均年収496万円
- 20位. ジュエリー業界 平均年収428万円
15位…こうやって見るといまいち高くないんですよね。
じゃあここからどういう事が導き出せるかっていうと…
経営者の収入は非常に高いが、従業員の給与は低め。
なので業界内の水準を見ると高いが、平均給与としてはに世の中の平均より低い。
ということになるのかなーと。
僕の勝手な予想なので正解かはわからないですけど、
これならズレの理由が納得できそうだと思っています。
さて、ここからは、独立するとしてオススメの業種を紹介していきます。
先に結論から記載してしまうと、オススメ業種はこいつらです!
露地野菜:その中でもキャベツ、レタス、トマトなどのメジャー野菜!
・初期投資が少ないので参入障壁が低い!
独立して経営をしていく際、うまく経営をやっていく事に絶対必要なのが金銭のコントロールです。
究極の話、収入>支出 にさえなっていればOKなので、支出を減らす事は大事です。
その意味で、初期投資が少ない事は大きなメリットになります。
・多品目栽培を行えばキャッシュフローが安定する!
年間の育成計画さえ立ててきっちりとやれば、年間に数品目販売することができます。
多品目のメリットとしては1品目がうまくいかなかった場合にもダメージが少ない、というリスクヘッジが1点と、
収入の時期を年間数回作れる事があります。
年に1度の収入で全て計画立ててやりくりするのは初心者には難しい場合が多いです。
その為、年間数回キャッシュが入ってくるタイミングがある事は、経営上有利に働く場合が多いです。
・メジャー野菜は情報が多く、且つ需要が安定している。
マイナー野菜で一発逆転!という夢もいいですが、初心者ならば余計にメジャー所を狙うべきです。
メジャー野菜ならば栽培方法が確立されていることに加え、アドバイスをもらえる相手や情報ソースも多いです。
また、需要が安定しているという事は売り先に困る事もなく、確実にキャッシュに変わります。
・キャベツ、レタス、トマトは時間単価が高い。
これらの野菜は販売単価に対する労働時間が比較的少ない、つまり時間単価が高いです。
時間単価が高いという事はそのまま儲かると言っても過言ではありません。
さらに、トマトにはもう1点付加価値があります。
基本的にはどんな良い品質の野菜であっても、単価には上限がありますが、
トマトは上限がないと言われています。
つまり高品質なものを作れば作るほど販売単価の上昇が狙えるのです!
ということはトマトは小さく始めて大きく育てる事ができる品種なので、
初心者が独立を目指すには1つの最適解ともいえる野菜になります!
逆にオススメしない業種も記載しておきます。
とはいえ、オススメに挙げた理由の反対を選べばいいので、こうなります。
- 初期投資が高い
- キャッシュフローが安定しない
- 需要が安定していない
- 時間単価が安い
ここから導き出される答えとしては…
・初期投資:畜産業は激烈高い。牛(豚/鶏)小屋が初期コストなので、最低でも数億単位。
・キャッシュフローの安定:稲作。年に一度なのでちょい厳しめ。
・需要の安定:どの業界も比較的安定はしているが、輸入勢の力が強い豚肉、鶏肉は厳しめ。
・時間単価:時間単価が高い品種情報は出てくるが低い情報は不明…
という形です。
なので新規参入を条件にすると畜産と稲作はちょっと不利だと考えます。
もちろん儲かる/儲からないだけが全てではないですし、
やり方やマインド、IT化次第でいくらでも戦い用はあると思います!
如何でしたでしょうか?
今回のまとめとしては下記になります。
- 農業、意外と儲かる。特に養豚はエグい。
- でも業界全体の平均を他業種と比較すると低い方。つまり経営者と従事者の給与格差が大きい。
- 独立するなら露地野菜、特にトマトがオススメ!
今回の記事を参考にしつつ、自分がどうしていきたいかを考え、
もし就農するなら楽しい農業ライフを歩んでくださいませ!!
それではまた会いましょう!