どうも!養豚場で楽しく勤務中、ぶたちゅうです。
養豚場って豚の大きさなどによって、
飼育スペースが何種類かの部屋にわかれているんです。
![](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/05/question_head_gakuzen_boy.png)
なんで?
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう左向き.png)
人間も小学生と高校生は机の大きさが違うでしょ?
それと同じだよ。
各成長ステージや目的にあった施設に移動してあげることで、
豚もストレスなく快適に過ごす事ができるんです。
そこで今回は、養豚場にある施設の解説をします。
こんな事を考えている人にオススメです。
- 豚小屋に種類なんてあるの?
- 豚小屋ってどんな種類があるの?
- 豚ってどういう環境で飼育されているの?
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう左向き.png)
養豚場では豚小屋のことを豚舎(とんしゃ)と呼ぶので、
今後はその呼び方で統一するね。
今回の記事を読んでいただければこんなことがわかります。
- どんな豚舎があるかわかる!
- 各豚舎の使われる目的がわかる!
- 各豚舎へどのタイミングで移動するかがわかる!
豚舎って想像していたより随分とたくさんの種類があるんです。
勤務開始当初はこう思っていました。
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう右向き.png)
小屋がたくさんあるぞ??何が違うんだ?
豚を定期的に移動しているけど何故移動しているんだ??
なので今回の記事で昔の自分の悩みを解決していきます!
未経験の方にも普段知る事ができない面白雑学になるかなーと思うので、
是非最後までお楽しみください。
ということで本編に行きたいんですが、
その前に少しだけ自己紹介させてください。
ぶたちゅう と言います。
IT業界から養豚業界へ転職し、日々豚について勉強中。
自分と同じような未経験者での転職者や
養豚初心者の助けになりたいと思い、
毎日の業務の中での疑問や学んだ事を纏めています。
それでは本編スタート~!
養豚場にある豚舎の種類を解説
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豚舎にはいくつかの種類がありますが、
大きく分けると親豚用、子豚用に分かれます。
その中で、
豚の状態や育成目的によってさらに分かれている、
というのがざっくりとしたイメージです。
各成長段階に合わせて、豚たちが過ごしやすいように、
施設は調整されています。
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう左向き.png)
広さも違うし、給餌器や水飲みカップの数や大きさも違うんだよ!
それでは各施設について個別に解説していきます。
ちなみに、日本と外国では施設や状況が違うので、
基本的に日本の養豚場をベースとして説明していきます。
親豚が使う部屋
親豚の使う部屋としては、
種付け舎(ストール舎)、分娩舎、雄舎の3つが代表的なものです。
特徴として、親豚は個体管理をされているので
タグで個体識別するとともに、檻の番号などでも識別されています
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通称ストールと呼ばれる母豚を入れる小さな檻です。
母豚がメインで滞在する場所になり、
名前の通り種付け(人工授精)をこの部屋で行います。
種付けをしてから分娩の1週間程前まで、
この部屋で生活します。
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう右向き.png)
隣との距離が近いので、相性を見て並び順を調整することもあるよ!
![](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/07/分娩舎.png)
分娩予定日が近づくとこの部屋に移動します。
分娩の前後と
子豚にお乳をあげる哺乳期間を過ごす部屋です。
母豚の柵があり、その外側に子豚用のスペースがある
二段階で区切られたスペースになります。
![](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/05/question_head_gakuzen_boy.png)
なぜそんな構造なの?
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう左向き.png)
区切っていないと母豚が子豚を潰しちゃう事故が起きるから、
子豚が逃げられる安全なスペースを作っているんだよ!
生まれてすぐの子豚がいる部屋なので、
めっちゃ小さい水飲みカップが設置してあります。
この機材、めっちゃ可愛いです!
農場によって雄舎の有無は変わります。
種付け用の精液を外部から購入するのであれば、雄舎は必要ありません。
雄舎の特徴として、豚たちの中で一番良い待遇を受けています。
比較的広い檻の中に個別に飼育されており、
エアコンがついている場合もあります。
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう右向き.png)
めっちゃ良い待遇!!
豚は暑さに弱く、その影響で精液が駄目になってしまうと、
数ヶ月にわたって受胎率や生まれる子豚数が下がります。
それを防ぐ為、雄豚は非常に手厚く扱われています。
子豚が使う部屋
子豚が使う部屋を見ていきます。
子豚が使う部屋は離乳舎、肥育舎、それから候補舎の3つが基本です。
こちらは親豚の部屋とは逆に、
群れで飼育されているのが基本です。
![](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/07/離乳舎.jpg)
離乳したばかりの赤ちゃん豚達が暮らす部屋です。
親豚と比べてまだ小さいので、
子豚用サイズや高さの給餌器が設置されています。
また、一部屋に入る頭数が比較的多いので、
その頭数が同時に食べれるように給餌器や水飲みの数が多くなっています。
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう右向き.png)
少ないとケンカするし、弱い子が食べられなくて痩せちゃうんだよねー
離乳期を過ぎた豚たちが肉豚として成長していく部屋です。
出荷までこの部屋で過ごすので、
出荷時に成長する体重で適正になるような密度で飼育されています。
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう右向き.png)
なので移動直後は比較的余裕があって、広々と過ごせるよねー。
将来母豚になっていく子豚たちを飼育する部屋です。
母豚候補たちは離乳舎の後、候補舎に移動してきます。
肥育舎と作りは大きく変わらないですが、
肥育舎よりも檻の作りが小さく、1部屋で飼育する頭数が少ないです。
![](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/05/question_head_gakuzen_boy.png)
なんで?
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう左向き.png)
候補は育成中に選抜をするんだ。
1部屋に多数いると個体ごとの特徴を見辛いので、頭数を減らしているよ。
その他
親豚でも子豚でも使ったり、
どちらにも分類できないものがあるので紹介します。
部屋の作りとしては肥育舎、候補舎と同じですが、
使用目的が違います。
調子が悪い豚や役目を追えた母豚を出荷する前に飼っておく部屋です。
お婆ちゃんになって産める子供の数が減ったり、
病気が長引いたりで母豚としての役目を果たせなくなってくると、
淘汰、つまり出荷します。
淘汰候補の母豚を種付け舎で飼ったままだと、
スペースや管理上の都合で宜しくないので、
隔離舎に一旦逃がし、出荷までの間はこっちで飼育します
外部から購入したブタを慣れさせるための豚舎です。
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう右向き.png)
“じゅんち”だよ! ”くんち”ではないよ。
僕は盛大にまちがえていたよ!w
外部から導入した豚はどんな病気を持っているか分かりません。
また、逆に自農場の豚は既に免疫を持っているウイルスに対して、
免疫を持っていないことがあります。
その為、外から病気を持ち込んでいないかの確認と
中の病気に慣れさせるために一定期間ここで飼育をします。
馴致者で問題なければストールに連れて行きます。
移動する順番とタイミング
言葉では説明しづらいので図としてまとめました。
![](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/07/新規-Microsoft-PowerPoint-プレゼンテーション-1024x576.jpg)
基本的なサイクルとしては、
母豚が種付け舎と分娩舎をぐるぐる回ります。
1サイクルで約140日程度なので、
年間で2回以上分娩と離乳を繰り返します。
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう右向き.png)
すごい!お母さんは忙しいね!
その過程で生産された子豚たちが
離乳舎へ移動します。
離乳舎から一部は母豚候補として候補舎へ、
大多数は肥育舎へ移動します。
候補舎へ移動した豚たちは、
成長後に種付け舎に合流します。
肥育舎に移動した豚たちは
成長後にお肉として出荷され、食卓にならびます。
これが豚の流れの全体像になります。
まとめ
如何だったでしょうか?
今回は養豚場にある色々な施設を解説しました。
種付け舎:種付けを行う。分娩時に以外はここに滞在する。
分娩舎:妊娠前後で約1か月滞在する。
雄舎:種付け用の雄を飼育する。
離乳舎:離乳後、赤ちゃん豚を約2か月程度飼育する。
肥育舎:肉になる為の豚を約4か月程度飼育する。
候補舎:将来のお母さん候補を飼育する。
馴致舎:他農場から仕入れた豚をしばらく飼育する。
隔離舎:体調不良な豚を他豚と隔離する為に使用する。
大きさや目的別によって部屋が分かれており、
各部屋にはそれぞれ特徴があります。
![ぶたちゅう](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/ぶたちゅう右向き.png)
子豚にとって使いやすい部屋と、
親豚ににとって使いやすい部屋は違うもんね!
成長段階に適した施設に移動してあげる事で、
豚達がストレスなく過ごせ、人間も効率よく作業が行えます。
それぞれの部屋でどんな作業をしているかはこちらの記事で纏めていますので、
気になる方はチェックしてみてください。
![](https://butachu.blog/wp-content/uploads/2021/06/pexels-startup-stock-photos-7376-160x160.jpg)
各施設は現在も試行錯誤しつつ世界中でパワーアップが行われており、
まだまだ完成している訳ではありません。
世界中の養豚家や研究者が、
どうしたら美味しい豚肉をよりたくさん作れるかを試行錯誤しています。
創意工夫と愛情がたっぷりつまった豚肉です。
是非美味しく楽しく、食べてくださいね!
それではまた!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました~!