どうも!一貫経営の養豚場で楽しく勤務中、ぶたちゅうです。
日本の養豚場は一貫経営が基本ですが、
他にも数種類、経営形態があります。
そこで今回は各経営形態のメリット/デメリットを解説すると共に、
それぞれの比較をしていきましょう。
あれ?何か似たような記事なかった?
以前に一貫経営を詳しく解説したから、
今回は他の経営形態の解説を比較をしていくよ!
一貫経営について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!
【養豚場】一貫経営をわかりやすく説明します【メリット3選や他の経営形態も合わせて紹介】今回の記事はこんな人にオススメです。
- 一貫経営以外にどんな経営があるのか知りたい
- それぞれの経営形態の詳細を知りたい
- 各経営形態のメリットを知りたい
今回の記事を読むことでこんな事がわかります。
- 各経営形態の詳細がわかる!
- メリットを比較できる!
- オススメな経営形態がわかる!
日本では圧倒的に一貫経営が人気ですが、
こう思ったことがきっかけでこの記事を書こうと思いました。
なんで一貫経営が人気なんだ?
他の経営形態にもメリットないの?よし!調べよう!
ということで本編に行きたいですが、
その前に少しだけ自己紹介です。
ぶたちゅう と言います。
IT業界から養豚業界へ転職し、日々豚について勉強中。
自分と同じような未経験者での転職者や
養豚初心者の助けになりたいと思い、
毎日の業務の中での疑問や学んだ事を纏めています。
それでは、早速本編に行ってみましょう~
養豚場の色々な経営の形
大きく分けると4種類です。
種豚経営:
子供を産ませる為の母豚やその祖母、祖父を育成し、販売しています。
繁殖経営:
子豚を繁殖させた後、ある程度まで育てて肥育経営へ売り出します。
肥育経営:
繁殖経営から子豚を購入し、
お肉として出荷するまで育成します。
一貫経営 :
繁殖経営 + 肥育経営として、
子豚を産ませる所から、お肉として出荷するまで一貫して育成します。
各経営形態の概要としてはざっくりとした解説にとどめるので、
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
各経営形態のメリット / デメリット
まずは全体像を表にしてみました。
ざっくりとしたイメージはなんとなく掴めたと思うので、
細かく解説していきます。
【メリット】
圧倒的に売買単価が高いです。
肉豚の場合、一頭あたり4万円~5万円程度ですが、
純粋種の母豚は20万~30万円、品種によっては40万円です。
単純に金額にして肉豚の7~8倍で売れます。
通常の母豚(純粋2種を掛け合わせた雑種)でも7~9万円程度で売買されます。
純粋種?雑種?なんでそんなに値段が違うの?
それは肉豚は基本的に2種の雑種×純粋種の3種混合(三元豚)で作るからだよ!
ここは理解しづらい部分なので、近日中に記事をアップしますね。
僕も始めは意味がわかりませんでした!(笑)
【デメリット】
設備投資額が大きいです。
種付け用、分娩用、雄用、子豚育成用と、
複数の豚舎を建てる必要があります。
メンテナンス費用もかかるしね
また、養豚農家(つまり顧客)が
年々減っていることもデメリットと言えます。
豚舎の種類についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、
気になる方はチェックしてみてください。
【メリット】
キャッシュフローが良いです。
生後、1~2ヶ月(約30kg)で出荷するので、
在庫を抱えている期間が短いです。
その為、キャッシュの回転率が上がり、
資金調整が容易になります。
倒産しにくいってのは経営上、需要だよね!
【デメリット】
設備投資の面では、種豚経営ほどではないですが、
比較的多額になります。
分娩舎、種付け舎、子豚育成用と
複数の豚舎が必要な為です。
また、エサ単価が高価と言う面もあります。
子豚は小さく弱いので、
幼いほど栄養面などに気を使った高価なエサが必要なんだよ!
繁殖経営についても、
養豚農家の減少はデメリットです。
肉豚の場合、と畜場にもっていけば間違いなく売れますが、
子豚の場合は売買先が非常に限定されてしまうので、
販路の確保は厳しいでしょう。
【メリット】
設備投資が安い事が大きなメリットです。
肉豚育成用の設備を作るだけで済み、
複数種類の豚舎を作る必要が無い事がその理由です。
繁殖経営で「子豚のエサは高い」と言いましたが、
肥育経営の場合はエサ代が安いのもメリットの一つです。
また、これは働いている実感ですが、
作業内容が均一な事もメリットと言えます。
繁殖経営は種付けから子供の出産、その後のケアまで、作業が多岐に渡ります。
対して肥育経営は「ある程度育った豚から出荷までの育成」という1点のみです。
業務内容が限定されているので、
突き詰めやすく、新人の育成が比較的容易だと言えるでしょう。
【デメリット】
キャッシュの回転率が悪いです。
4か月程度飼育する事になるので、
在庫期間が長く、在庫価格が多額になる傾向があります。
また、繁殖経営農家の減少により、
肥育経営も単体では経営が難しくなっている事実もあります。
結局どれがおすすめなのか
結論としては一貫経営です。
ただし、現在の日本ならばという注釈が付きます。
理由としては農場の品質が一定ではないことがあります。
繁殖または肥育経営をする場合、
それぞれお互い強力なパートナーが必要です。
両社ともに衛生レベル、飼養レベル、経営レベルが高く、
一定量の需要と供給が釣り合う必要があります。
その上でしっかりとした提携が結べればメリットはあると思いますが、
年々廃業が増えていて、どうなるかわからない業界です。
現状を考えると、他社に依存するのは非常に危険だと言えます。
その観点から相対的に一貫経営のメリットが大きくなります。
逆に農場の品質が一定であるEU諸国などは繁殖 / 肥育の分業が盛んですよ
諸外国の経営方針についても調べると面白い事が色々でてきたので、
また別の記事で纏めますね。
まとめ
今回は一貫経営以外の経営形態について詳しく見てきました。
- 4種類の経営形態がある。
- 設備投資、キャッシュフロー、粗利益でそれぞれメリットが違う。
- でも現代日本に一番適しているのは一貫経営。
単純に数字の上の比較以外にも、
それぞれの苦労や楽しさがあると思います。
一貫経営以外の農場にもインタビューして、
さらに詳細な記事を書いていければと思っていますので、
また是非読んでくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとう御座いました!