どうも!養豚場で楽しく勤務中、ぶたちゅうです。
お店にはいろんな経営形態がありますよね。
ケーキ屋さんで言うと、こんな感じ。
- 持ち帰り + カフェも併設
- デコレーションケーキ特化
- 販売 + ケーキ教室も開催
養豚場にもいくつかの経営形態があります。
今回は経営形態をわかりやすく説明しつつ、
その経営形態にどんなメリットがあるかも纏めていきますね。
こんな人にオススメです。
- 養豚場にはどんな経営形態があるか知りたい
- 養豚場の一貫経営ってどういう意味か知りたい
- 一貫経営のメリット / デメリットを知りたい
ちなみに、日本では一貫経営が主体なので一貫経営を中心に纏めていきます。
一貫経営っていきなり言われても何かわかんないんだけど…
僕もそう思ってたよ!だからこの記事を書こうと思ったんだ!
ということで本編に行く前に少しだけ自己紹介です。
ぶたちゅう と言います。
IT業界から養豚業界へ転職し、日々豚について勉強中。
自分と同じような未経験者での転職者や
養豚初心者の助けになりたいと思い、
毎日の業務の中での疑問や学んだ事を纏めています。
それでは、早速本編に行ってみましょう~
養豚の一貫経営とは何なのか
結論から言うと、子供を産ませてから肉として出荷するまで、
自分の農場で一貫して育成する経営形態のことです。
日本の養豚場の86%が一貫経営なので、
国内の殆どが一貫経営だと言ってもいいでしょう。
この比率は国によって違っていて、
EUでは一貫していない分業制の農場が多数を占めています。
一貫して経営って言われてもあんまイメージ湧かないんだけど…
OK!じゃあ一貫経営以外に何があるか紹介していくね!
養豚場の経営形態4種を解説
養豚の経営にはいくつかの種類があります。
- 種豚(しゅとん)経営
- 繁殖経営
- 肥育経営
- 一貫経営
名前だけでもなんとなーくイメージは湧きますが、
それぞれの詳細を解説していきますね。
親豚を育成して養豚場に卸す経営です。
種豚同士を掛け合わせ、品種改良を続けることで、より質の高い親豚を作っています。
質の高い親豚ってなに??
こういった条件が質の高い親豚になります。
- 大きくて健康な子供をたくさん産める
- お乳をたくさん出せて子供たちを飢えさせない
- 自分も子供も成長が早い
あとは肉が美味しいというのも重要だね!
子豚を産ませて、ある程度大きくなったら
肥育経営の農場さんへ販売します。
つまり、お肉になる元の豚を育成している経営方法です。
繁殖経営は子取り経営とも言うよ!
生後約10週間、30kg前後で販売される形が基本です。
繁殖経営から子豚を買い取り、
お肉として出荷するまで育成する経営方法です。
基本的には10週齢程度で購入し、20~25週、120kg前後まで育成してから出荷します。
種豚を購入し、繁殖と肥育を一貫して行う経営形態です。
ちなみにうちの農場もコレです。
先程も記載した通り、日本では大多数の農場が一貫経営をしています。
一貫経営のメリット3選
様々な経営形態がある中で、圧倒的に人気がある一貫経営ですが、
日本においてはそれだけメリットが大きいという事が理由です。
メリットは大きくわけると3点です。
- 病気を防げる
- 生産費用が安い
- 生産計画を調整しやすい
それぞれ詳しく解説していきますね。
豚は非常に病気に弱い動物です。
その中でも、発症すると経営的に重大な悪影響を及ぼす病気がいくつかあります。
PED(豚流行性下痢)、PRRS(豚繁殖・呼吸障害症候群)などが該当し、
これらは一度発症すると爆発的に広がり、根絶するのに長い時間がかかります。
根絶までの間、死亡率があがり、薬剤費も上昇してしまうので、
経営上の大きなリスクとなります。
これらは、感染した豚を他の農場から仕入れてしまう事で蔓延する場合があるので、
出来る限り他の農場との接点は断ちたいわけです。
商売の原則から考えれば当然ですが、
自分のところで生産すれば安いです。
また、外部要因である子豚価格の変動によって粗利が左右されない、というのもメリットの1つです。
ここで”生産費用”と限定したのは意味があり、初期投資は一貫経営の方が圧倒的にかかります。
種付けを行う種付け舎、子供を産む分娩舎、
子豚を育てる離乳舎、出荷まで育てる肥育舎と、
4つの豚舎を作る必要があるので土地と初期投資が必要です。
自社内で子豚の生産頭数を決定、調整でき、
どの時期に何頭必要か、計画を立てやすいです。
計画が自社内で完結することにより、
豚全体の流れを無理がなく適切なものにしやすいというメリットがあります。
まとめ
如何だったでしょうか。
今回は養豚の一貫経営について解説しました。
- 一貫経営とは? :
繁殖から肥育まで自社で行い経営 - 経営形態の種類 :
種豚、繁殖、肥育、一貫の4種類 - メリットは? :
防疫、コスト、計画の3点にメリット
おまけとして、具体的なメリットではありませんが、
一貫経営の農場で働いている中で、実はもう1点紹介したいものがあります。
それはやりがいです。
自分たちで最初から最後まで責任をもって育てて、
それを誰かに「おいしいね」と言ってもらえたら、生産者としては最高に幸せです。
それを一番実感できるのが一貫経営だと感じています。
これは数値や机の上では理解しづらい感情だと思います。
ということで今日も私たちは一生懸命豚を育てていますので、
美味しく、楽しく、豚肉を食べていただければ幸いです!
では、最後まで読んでいただきありがとうございました~!
おまけですが、養豚場での勤務内容が知りたい方はこちらの記事で纏めていますので、
よければ覗いてみてください。