養豚場でよく使う計算式一覧【活用方法も解説】

どうも!アナリスト(分析家)の資格を持つ養豚農家、ぶたちゅうです。

数値での管理ってどの仕事でも大事ですよね。

目標の数値化、進捗の数値化、
データの分析や改善指標の設定など、
何をするにも数字が付きまといます。

養豚の仕事も例外ではありません。

でも、実際の作業の中で「あれ?この数値ってどうやって出すんだっけ?」
「この出した数字はどうやって活用するんだ?」というようなことはありませんか?

ぶたちゅう
ぶたちゅう

ある!特に最初は、中々覚えられずに苦労してた!

そこで今回は、養豚にまつわる計算式と、
その数字をどのように活用していくかも含めて
情報をまとめたいと思います。

こんな人にオススメです。

  • 養豚場で使う計算式を知りたい。
  • 計算式がどんな意味か知りたい。
  • 出てきた数値の活用方法を知りたい。

僕は養豚農家としては初心者ですが、
前職ではアナリスト(分析家)としての資格を取得しています。

※補足

具体的にはテストアナリストという

「テスト方法や成果を分析」することに特化した、
非常に使い道の狭い専門的な資格です。

もちろん専門的な内容なので、
その業界の知識が養豚にそのまま使えるわけではないです。

ただ、分析の基本的な考え方は一緒なので、
過去の経験から今回は語っていきたいと思います。

今回の記事を読めばこんな事が解決します。

  • 養豚で使う計算式がわかる
  • 計算式の意味がわかるので忘れにくくなる
  • 数字が実際の飼養管理に使えるようになる


それでは本編にいってみましょう~

養豚場でよく使う計算式一覧

まずはよく使う計算式の一覧を記載します。

いくつかの数字を合算してやっと出したい数字が出せる場合もあり、
少し複雑なものもありますが、
なるべく丁寧に、簡単に説明していきますね。

※補足説明
求めたい結果が同じでも、
正確な数値が出る計算式と、概算の数値が出る計算式があります。

    

正確な計算式の場合、前提となる数値の収集や計算に手間がかかるので、
今回は概算の計算式を纏めていきます。

肥育系

大まかに言えば効率的に豚を成長させられているか
計算する数値です。

箇条書きで見ていきますね。

◆農場枝肉飼料要求率 
 飼料購入量 ÷ 出荷枝肉重量 
 ※母豚が自家更新の場合は、
  繰上頭数×枝肉重量/頭も加算

◆出荷生体重量
 出荷枝肉重量 ÷ 歩留まり率

◆農場飼料要求率(FCR)
 飼料購入量 ÷ 出荷生体重量

読者
読者

要求率?FCR?どういうこと?

ただ言い方が違うだけで同じものだよ!

Feed(餌の) Conversion(変換の) Rate(割合) という超直訳の略だよ!

◆”肉豚”枝肉飼料要求率
 肉豚の飼料購入量 ÷ 出荷枝肉重量
 ※飼料要求率には肉豚で出す場合と農場全体で出す場合があります。

◆肉豚飼料要求率 
 肉豚の飼料購入量 ÷ 出荷生体重量

◆出荷頭数割合
 年間出荷頭数 ÷ 哺乳中、離乳後含めた肉豚在庫数
 ※”肉豚在庫に対する出荷頭数の割合”が算出できます。
  ただ、この後の計算に使う値なので単体では意味が薄い数値です。   

◆平均出荷日齢
 365日 ÷ 出荷頭数割合

◆1日平均増体重(ADG)
 出荷生体重量 ÷ 平均出荷日齢

ぶたちゅう
ぶたちゅう

ADG、またはDGとも言われるよ。
Average(平均の) Daily(日々の) Gain(成長)なのでこいつも超直訳だね!

繁殖系

こちらは母豚の能力を十分に発揮できているかを出す指標です。

◆1母豚あたり年間出荷頭数
 年間出荷頭数 ÷ 母豚数

◆1母豚あたり年間出荷枝肉重量
 年間出荷枝肉重量 ÷ 母豚数

◆1腹あたり総産子数
 総産子数 ÷ 分娩腹数

◆1腹あたり離乳子豚数
 離乳子豚数 ÷ 分娩腹数

◆母豚回転数
 365日 ÷ (平均妊娠期間 + 平均哺乳期間)

◆1腹あたり年間離乳頭数
 1腹あたり離乳子豚数 × 母豚回転数

◆年間離乳頭数
 1腹あたり年間離乳頭数 × 母豚数
 
◆哺乳中事故率
 1 - (離乳子豚数 ÷ 生存産子数) 

ぶたちゅう
ぶたちゅう

離乳子豚数÷生存産子数 = 生まれた中で離乳できた割合 になるので、
1(100%)から割合を引く事で事故率が算出できるんだね。

経営系

お金の管理に使う数字です。
いくら成績が良くても赤字ならば経営はできないので、
一番重要な数字とも言えるでしょう。

◆1母豚あたり販売額
 枝肉販売手取り金額 ÷ 母豚数

◆1母豚あたり飼料費
 飼料購入金額 ÷ 母豚数

◆1母豚あたり粗利益 
 1母豚辺り販売額 - 1母豚辺り飼料費

ぶたちゅう
ぶたちゅう

「母豚数」を「出荷頭数」に変えれば、肉豚辺りの販売額、粗利が算出できるよ!

◆従業員あたり粗利益
 1母豚あたり粗利益 × 母豚数 ÷ 従業員数

◆㎡あたりの粗利益
 1母豚あたり粗利益 × 母豚数 ÷ 肥育面積

◆㎡あたりの出荷枝肉重量
 出荷枝肉重量 ÷ 肥育面積

経営系の数字は単体で調整が効く数字ではないので、
その数字が出る根拠を分析して、要素に対して試算、アプローチをすることが大事です。

ダメ経営者
ダメ経営者

粗利を上げたいから
飼料費削ろー。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

そしたらDGの減少から回転率の減少に繋がり、売上も減るよ!
そんな単純じゃないからちゃんと試算してね!

計算式の意味と覚え方を解説

よく使われる計算式は一通り説明しましたが、
これを丸暗記するのは大変だと思います。

そこで、数式の意味を覚えて、
必要な時に計算式を考えられるようになるのが秘訣です!

恐らく計算式を忘れるパターンとして多いのが、
割り算ではないでしょうか?

読者
読者

あれ?何で何をわるんだっけ?
あれ?どっちで割るんだっけ?

こう思ってしまう理由は、割り算が2つの意味を持っているからです。

  • 1つ目:全体の数 ÷ 個数 = 1個あたりの数
  • 2つ目:全体の数 ÷ 1個あたりの数 = 個数

掛け算はシンプルで1つの意味しか持ちません。
1個あたりの数 × 個数 = 全体の個数 のみです。

割り算はどちらも当てはまってしまうので、
「あれ?どっちだっけ?」が起きやすいのです。

読者
読者

ぶたちゅう~ そう言われてもよくわからん!

ぶたちゅう
ぶたちゅう

じゃあ具体的な例をあげていくね!

◆1つ目:全体の数 ÷ 個数 = 1個あたりの数 の具体例

 
・飼料要求率
飼料購入量(全体の数) ÷ 出荷枝肉重量(個数) = 飼料要求率(1個あたりの数)

この場合、個数の単位はkgです。

全体のkg を 出荷枝肉のkg で割る事で、
枝肉1kgあたりの飼料購入量がだせます。

◆2つ目:全体の数 ÷ 1個あたりの数 = 個数 の具体例

 
・母豚回転数
365日(全体の数) ÷ 平均妊娠、哺乳期間(1個あたりの数) = 母豚回転数(個数)

1個当たりの数の単位は日数です。

1年365日を、一回の妊娠&哺乳で必要な日数で割ります。
すると、1年で何回妊娠&哺乳ができるか、つまり母豚回転数がだせます。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

どうでしょう?ざっくりとイメージは掴めたでしょうか?

覚えにくい割り算ですが、割り算で出せる数値こそ、
課題の根本を見つけて、分析に役立つ数値になる事が多いので、
是非計算式の本質を覚えておきましょう!

活用方法の基本

計算式は数値を出すだけでは意味がありません。
どうやって活用して実務に落とし込んでいくかが重要です。

基本は考え方として、この3ステップになります。

  1. 解決したい課題を考える
  2. 【なにを】【どれと】比較すれば適切な数字が出るか考える
  3. 出てきた数字をもとに、様々な角度から原因を推測、改善していく
ぶたちゅう
ぶたちゅう

【なにを】【どれと】の具体例をいくつかあげますね。

◆なにを?

・単純な数字
・平均値
・加重平均値

どれと

・先月と比較
・前年同月と比較

※「荷重平均」という言葉がが耳慣れない方は、
こちらのサイトが参考になります。

具体例をあげてみましょう。

例えば受胎率を分析する場合、
【単純平均(受胎数 ÷ 種付け頭数)】を使い、
【先月と前年同月のどちらの数字とも】比較
します。

思考の流れはこうなります。

読者
読者

あれ?!先月と比較するとやたら数値が悪化しているぞ?
何か対策しないとヤバイ!?

ぶたちゅう
ぶたちゅう

落ち着いて!一度、前年同月とも比較してみよう!

読者
読者

あ、去年も一緒だ。じゃあ季節性のものだから大丈夫だね!

まぁ実際には季節性のものだとしても対策はしますが…笑

「そう言われてもコツがわからないなぁ…」という方もいると思いますが、
ポイントは数字を見ていくつかの仮説を立てることです。

そしていくつかの対象と比較することで、
仮説の信頼度を上げていきます。

これを繰り返すことで数字と現実に対する把握能力が上がっていくので、
気付けば自然とできるよう
になりますよ。

ですので、数字を扱うときには、
・解決したい課題から
・どの数字を何を比較するか
・仮説を立てて分析、改善
の3ステップで考えていきましょう!

ちなみに、比較対象は単月を記載していますが、
状況によっては単年度であったり、四半期であったり様々です。

こちらも解決したい課題により少し変更してみてくださいね。

まとめ

如何だったでしょうか?

今回は養豚に使う計算式とそれの使い方をまとめてみました。

計算式は非常にたくさんあるので、
計算式を丸暗記するのは難しいです。

それよりも数式の意味を理解し、
都度計算式を考えられるようになる
と結果的に楽になります。

また、数字は出すだけで終わりではなく、
その数字を根拠に何を考え何を実行していくかがポイントなので
しっかりと活用できるように仮説と改善を繰り返していきましょう!

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!

またお会いましょう~

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