【養豚】豚の尾かじりが起きる理由と具体的な予防策3選

どうも!養豚場で楽しく勤務中、ぶたちゅうです。

あなた
あなた

ぶたちゅう~ 僕の養豚場で尾かじりがでちゃったよ~ 
どうやって防いだらいいかな~?

ぶたちゅう
ぶたちゅう

任せとけ!尾かじりの発生原因と防ぎ方を説明するよ! 

尾かじりとは、豚が他の豚のしっぽを噛んでしまう事です。

ひどい場合にはしっぽが完全になくなってしまい、
そこからばい菌が入って死に至る為、気を付けるべき行動です。

そこで今回は尾かじりについて纏めていきますね。

こんな人にオススメです。

  • なぜ尾かじりが発生するのか知りたい
  • 尾かじりの予防方法を知りたい

僕の農場で発生し、対処法を探していたところ、
とある論文を見つけました。が…

ぶたちゅう
ぶたちゅう

論文なので読みづらい…

と言うことで論文内容を要約しつつ、実際に僕が試した内容も記載していきます。

それでは本編に行ってみましょう~

豚の尾かじりが起きる理由

尾かじりは基本的にはストレスが原因で発生します。

具体的にはこんなことが要因として考えられます。

  • 餌が少ない / 食べ辛い
  • 水が少ない / 飲み辛い
  • 飼育密度が高すぎる
  • 暑い / 寒い
  • 換気の風が直接あたる
  • 空気がこもって悪い

生き物のことなので、
『AしたらBになる!』という明確なものはありません。

ただ、これらの要因が複合的に重なり、
ストレスがたまる
と発生すると言われています。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

人も豚もストレスの原因は大体一緒だね~

具体的な予防方法3選

では、尾かじりの原因がストレスと言う事がわかったので、
発生を防ぐための対処法を具体的に見ていきましょう。

薄飼い

薄飼い、つまり飼育密度を下げます。

スペースの余剰さえあれば、これが一番確実で効果がある方法です。

薄飼いにすることで、餌や水の不足と食べ辛さ、
密度が高すぎる、といった問題は解決できます。

場合によっては空気の悪さや、
風が直接あたるという問題も解決できますね。
(豚の逃げ場ができるので嫌な場所は勝手に避けてくれる)

ただ経済動物である以上、コストパフォーマンスの問題もありますし、
スペースの都合上、難しい養豚場がほとんどでしょう。

かじれる物の設置

ストレスを感じる事で、目の前の尻尾をかじってしまうのです。

であれば、尻尾以外のかじるものを用意してあげることで対策になります。

具体的に、よく使われるのはです

頑丈でコストも安く、費用対効果としては高いので、
たくさんの養豚場で使われているかと思います。

とはいえデータによると鎖は長期的な効果はあまり見込めず、
豚が慣れる事で効果が徐々に失われていく
そうです。

そこでオススメしているのがコレです。

鎖 → ゴム → 紐 → 鎖 … でローテーションして付け替える

鎖をつけたままに比べれば手間自体はかかりますが、
豚の興味が次々と移ることによりストレスの緩和効果は大きくなります 。

【やってみた感触】

鎖のときは たまーに1,2頭がかじっている程度でしたが、

ローテ式にして以降、数頭が群がってゴムや紐をかじっている姿を見かけます。

 

尾かじり防止の効果はまだ実験中なので、

データが集まり次第、追記します。

また、餌の形状によっても尾かじりの発生率は変わります。

ペレットの場合は食下時間が早く、暇な時間が増えてしまうので、
クランブルにすると防げるそうです。

こちらは実験できていないので、実体験がある方は教えていただけると幸いです。

塩化ナトリウムの添加

簡単に言えば、飲水に塩を添加します。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

研究時は1.8%の食塩水にしたそうだよ

食塩水の添加の効果としては2つあります。

  • ミネラル成分の補給
  • 味が変わることでのストレス解消効果

ミネラルが大事なのは人間と一緒で、
ストレスによりミネラルが失われると体調が悪くなり、
より一層ストレスを感じてしまいます。

水の味が変わるのは、
限られた生活行動の中では良い刺激になるようです。

効果としては、鎖などを付けるよりも塩水添加の方が効果を発揮したとのこと。

ただ、塩水添加はランニングコストがかかるものなので、
尾かじり発生率とコストを天秤にかけて検討するべきだと感じました。

【やってみた感触】

飲水の嗜好性はあがったと感じます。

 

飲水量のデータはとれる設備がないので数字としては不明ですが、

カップに群がる頻度は上がっています。

 

尾かじりの減少に繋がるかは経過観察中なのでまた続報追記します。

懸念点として塩水をずっと添加するとなると錆が心配だなぁと感じます。
なので、一旦は時々塩水を添加して様子を伺うつもりです。

起きてしまった後の対処法

起きてしまった場合、かじった方、かじられた方に処置をする必要があります。

【かじられた側】

抗生物質を注射して、少しでも治りが早くなるようにしてあげます。

 

かじられた傷口がかゆくて、さらにかじってもらおうとする場合もあるため、

状況次第では隔離します。

 

もしかじられ方がひどい場合には残念ながら治療は見込めないため、

淘汰する事になります。

【かじった側】

豚房に鎖や塩水などの予防策を実施した上で、

かじった個体に印をつけて、要経過観察です。

  

尾かじり行動が収まればいいですが、

どうても継続してしまう場合は淘汰も視野にいれます。

最悪の場合はかじった側もかじられた側も淘汰することになります。

被害拡大は防げますが、人情的にも経済的にも頻繁にするべきではありませんので、
どうしようもない時の緊急回避として覚えておいてください。

まとめ

今回は養豚場で尾かじりが発生する原因とその対処法について記載してきました。 

  • 尾かじりはストレスで発生する
  • ストレス解消には「薄飼い」「かじる代替物」「塩水添加」が良い
  • 発生した場合はかじった側もかじられた側も経過観察

尾かじりは経済的な損失もありますが、
何より、ストレスを与えてしまったことに対して、
申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

豚達に少しでも気持ちよく過ごしてもらい、
すくすく健康に美味しいお肉になってもらうためにも、
あの手この手で尾かじりを防いでいきましょう!

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました~!

豚のしっぽは何故丸まっているのか?!その理由を説明

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA