堆肥舎ってうんこを積んどく場所でしょ?
いろんな種類があるらしいけど何故そんなに種類があるの?
OK!じゃあ今回は堆肥舎の種類と、
それぞれの特徴、メリット/デメリットを解説するね!
堆肥舎には色々な種類(仕組み、構造)があります。
今回はそれぞれの仕組みについて詳しく解説していこうと思います。
こんな人にオススメです。
- 堆肥舎の役割を知りたい
- 堆肥舎にどんな種類があるか知りたい
- そんなに種類がある理由を知りたい
- それぞれの種類のメリットデメリットを知りたい
今回の記事を読んでいただければ、
・堆肥舎がどういう役割を担っているか
・どういう構造で作られているか
・各構造のメリットデメリット
を理解することができます。
ということで本編に行きたいんですが、
その前に少しだけ自己紹介させてください。
ぶたちゅう と言います。
IT業界から養豚業界へ転職し、日々豚について勉強中。
自分と同じような未経験者での転職者や
養豚初心者の助けになりたいと思い、
毎日の業務の中での疑問や学んだ事を纏めています。
それでは本編スタート~!
堆肥舎とは?
結論から言うと、
堆肥舎とは家畜の糞尿を集め、堆肥化する為のスペースです
堆肥化?なぜそんなことが必要なの?
そのまま捨てたら処理が大変だからだよ!
糞尿をそのまま廃棄する場合、
ただのゴミにしかなりません。
そもそも法律上、
そのまま廃棄することはできなかったりします。
仮にそのまま破棄する場合、
こんな複数のリスクを抱えたやっかいなゴミとなります。
- 害虫の増殖
- 害虫を介して病気の発生
- 地面に染み込む尿からの水質汚染
- 悪臭の発生
でも、それを堆肥化することで、有用なものに変えることができるんです。
堆肥化したあとの使い道はこれらが代表的なものになります。
- 飼料育成の肥料
- 近隣の家庭菜園への配布
- 畑作農家での利用
畑作農家さんの場合は、購入してもらえる場合もあり、
ただのゴミが資産に変わるのです。
こういった理由から、
糞尿は堆肥化することが基本となっています。
堆肥舎にはいくつかの種類があり、
それぞれメリットやデメリットがあります。
次の項目では、
まず種類によるメリット/デメリットを解説します。
堆肥舎の種類とメリット/デメリット
細かい構造や仕組みの違いを解説する前に、
まずは大まかな分類とメリット/デメリットを説明します
全体像がわかったほうがイメージしやすいからね!
まず、堆肥舎は大きくわけるとこの3種類の構造です。
- 堆積式:積んで放置
- 開放攪拌式:開放的な空間に積んで混ぜる
- 密閉攪拌式:密閉空間に詰めて混ぜる
そしてそれぞれのメリットデメリットを表にします。
圧倒的に密閉式がメリット高いじゃん!
密閉式一択じゃないの!?
コストの差がマジで半端じゃないんだよ!
どれぐらい半端じゃないかと言うと、
10倍では収まらないくらいの差があります。
具体的な金額にすると、堆積式の場合は最安で数十万程度で作れます。
※材料と技術さえあれば自分でも作れる為です。
ところが密閉式の場合、数百万~数千万円は必要になってきます。
他にも密閉式には
・臭いが近隣に拡散しない
・見た目が清潔
というメリットもありますが、
大きな設備投資となる為、どれを選ぶか十分な検討が必要です。
堆肥舎の種類を詳しく解説
全体像を解説したところで、
堆肥舎の詳細な構造の説明に進みます。
まず、もう少し詳細な図を作りました。
名前言われても全然わかんないんだけど…
だよね!
図解付きで一つずつ解説していくから安心して!
文字通り、糞を積み上げていく形式です。
最も単純であり建築コストは安く、自分で作ることすらできます。
但し、正しく堆肥化するための時間や手間は最もかかります。
糞は積んでいるだけでは堆肥に変わらず、
均一に空気にあてて、発酵を促す必要があります。
その為、定期的にショベルローダーなどで
かき混ぜる手間が発生します。
糞が発酵するメカニズムについてはまた別の記事で解説するね
先程の堆積式に加え、
積む場所の下に空気を送る管が通っています。
積んである下側から新鮮な空気が入ってくることで、
空気と混ざり乾燥を促進させます。
つまり単純な体積式と比較すると、
重機を使って混ぜてやる手間が少なく済むのです。
続いて開放型>攪拌式の説明に進むよー
開放攪拌式
開放攪拌式をざっくり解説すると、
開放的な空間、つまり野外に堆積式で積んである糞に対し、
人力ではなく機械が自動で攪拌する方式です。
堆積式より人手がかからないか楽ちんだね!
その中でかき混ぜ方の違いで、
いくつかの種類に分かれているので、
順番に解説していきます。
堆肥が積んであるスペースを
かき混ぜる機械が直線的に行ったり来たりします。
比較的シンプルな構造なので、
攪拌式の中では安価に建設できます。
上から見た図だよー
円形の堆肥置き場の中で、
かき混ぜる機械がぐるぐると回転してかき混ぜます。
直線式と比較すると
小さめなスペースでも建築可能なのが特徴です。
こちらも上から見た図だよー
直線+円形の組み合わせです。
楕円形の堆肥置き場を
かき混ぜる機械が移動しながらかき混ぜていきます。
機械の構造は多少複雑になりますが、
スペースの有効活用という意味では効率的な形式です。
最後は密閉型>攪拌式の解説だよー
密閉攪拌式
密閉式の特徴として、野外に堆積ではなく、
密閉空間に堆肥を積み込みます。
そしてその中に機械で送風し、攪拌も自動で行います。
糞を入れるだけで自動的に堆肥化が進むので、
日常管理の手間としては少ないです。
但し、建築コスト、運用コストは最もかかります。
臭いが外に漏れないから都市部はコレが多いよね!
縦型と横型があるのでそれぞれ解説していきます。
上から入れた糞が
ぐるぐる回る機械に押されて徐々に下に進みます。
その過程で発酵、乾燥され、堆肥化が進むので、
完成した堆肥は下側から出てきます。
開放式や密閉横置と比較して
スペースが少なくて済むのがメリットです。
作りとしては縦置きを横向きにした形です。
横から入れた糞がぐるぐると回転しながら反対側に行き、
堆肥として排出されます。
縦型よりもよく混ざる為、
堆肥化日数が短いのが特徴です。
まとめ
如何だったでしょうか?
今回は堆肥舎について解説しました。
- 堆肥舎の役割:糞を堆肥に変える場所
- 構造の違い:堆積式と攪拌式があり、それぞれに長所短所がある
- 堆積式:建築、運用コストは安いけど堆肥化に手間と時間がかかる
- 開放攪拌式:建築、運用コストはそれなり、手間と時間もそれなり
- 密閉攪拌式:手間と時間はかからないが、建築、運用コストがべらぼうに高い
今回の記事が畜産初心者さんの手助けや、
未経験者さんの知識欲の満足に貢献できれば幸せです!
ちなみに堆肥関連として、
養豚場の中で一番臭いのはどこだ?!という記事も書いていますので、
よければ覗いてみてください。
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとう御座いました。
またよろしくお願いします~