養豚場の中で一番臭い(くさい)のはどこだ?!【理由も解説】

養豚場って臭いよね?

でもたくさん部屋とか施設あるじゃない?

一番臭いのってどこなの?

ぶたちゅう
ぶたちゅう

OK!じゃあ今回は養豚場で特に臭い施設を紹介するね!

昨今はブログやSNSをやっている農家さんも多いですが、
自社のマイナスイメージになってしまう可能性のある臭い問題は踏み込み辛い
です。

そこで、ただ個人的に養豚の魅力を発信しつづける私なら問題はないので、
突っ込んだ解説をしていきますね!

こんな人にオススメです。

  • 養豚場の臭いについて詳しく聞いてみたい
  • どの場所が一番臭いのか知りたい
  • 養豚現場のレアな情報が知りたい

今回の記事を読めば、
・養豚場のどこが臭いのか
・なぜ臭いのか
というリアルな現場の人間しか知らない情報を知ることができます。

ちなみに業界の闇を暴く…!みたいな内容では全然ありません(笑)

客観的な事実を解説していくだけであり、
業界が隠蔽しているブラックな話などはありませんので、
ご了承くださいませ。

ということで本編に行きたいんですが、
その前に少しだけ自己紹介させてください。

書いているのはこんな人

ぶたちゅう と言います。
IT業界から養豚業界へ転職し、日々豚について勉強中。

自分と同じような未経験者での転職者や
養豚初心者の助けになりたい
と思い、
毎日の業務の中での疑問や学んだ事を纏めています。

それでは本編スタート~!

養豚場のなかで一番臭い(くさい)のはどこだ!?

結論として一番臭いのは堆肥舎です

堆肥舎とは!?:糞を発酵させて堆肥に変化させる施設

つまり、大量のうんこが積んである状態です。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

うん。そうやって聞くと納得だね

豚は1日に2キロのうんこをするので、
仮に1000頭いると毎日2トンのうんこが精製
されています。

これらが日々積みあがっていくのが
堆肥舎です。

状態によってはくさいを通り越します。
痛いです。
アンモニアが目と喉の粘膜を
直接刺激してくるのです。

堆肥舎の構造として大まかには2種類に分かれます。

  • 堆積式:基本は積んで放置
  • 攪拌式:基本は積んでから混ぜ続ける

うんこの堆肥化とは大まかに言えば 
【うんこ - 水分 + 空気】 です。

堆積式は時間をかけることで、
攪拌式は強制的にかき混ぜることで、
この活動を行う施設となります。

もちろん、
堆積式の方が発酵に時間がかかる為、
匂い的にはヤバイ状態
になりやすいです。

そんなに臭かったら周りへの影響ないの?!

ぶたちゅう
ぶたちゅう

そうなのです。そのままだと影響あるので頑張って対策しているよ!

例えばこんな事をしています。

  • 送風用の管を配置して新鮮な空気を送り続ける
  • 堆積式でも頻繁に人力で混ぜる
  • 臭いを軽減する素材を混ぜる

堆肥舎の種類については
堆肥舎の種類について解説という記事で纏めていますので、
気になるかたはそちらもチェックです。

堆肥舎の種類について解説!【種類ごとの長所/短所】

ということで、
一番臭い場所は堆肥舎であることとその理由を解説しました。

特に臭い(くさい)施設をピックアップして解説

堆肥舎以外にもくさい施設
いくつかあるので解説していきますね。

とは言え、同じ目的に使う施設でも、
構造によって臭いが大きく異なる
ので、
『この施設!』とは言い辛いんです。

どういうこと?意味が分からないんだけど…?

では実際の施設の構造も含めて、臭い場所を解説していきますね。

溜め糞式の豚舎全般

豚舎での糞尿処理方法には大きく分けて 3種類ありますが、
溜め糞式がもっとも臭いです。

・溜め糞式

いわゆるボットン便所です。

生活空間はスノコ状になっており、糞も尿もそこから下に落ちて溜まります。

しばらく溜まった後にまとめて排水します。

・ピット式

こちらも生活空間はスノコ状です。
豚の居住空間の下にピットと呼ばれる空間があり、スノコの隙間から糞尿はピットに落ちます。


ピット内は傾斜がついており尿は中心の管を通って排出、
糞は残るので学校の校庭を掃除するトンボのような機械で自動的に集めます。

ピット式はイメージ湧き辛いので、図解しました。

・発酵床式

予め、床におがくずなどの敷料を撒いてから豚を入れます。
そうする事でおがくずと糞尿が混ざり、自動的にある程度発酵が進みます。
おがくずは定期的に交換します。

当然、生の糞がそのまま溜まってる溜め糞式が一番くさいです!

ぶたちゅう
ぶたちゅう

換気が弱いとアンモニア臭で目がヒリヒリするんだよね…

全面スノコではない豚舎

ピット式の中でも、一部スノコ、全面スノコという種類があります。

・全面スノコ

豚の居住空間全てがスノコ状になっており、

どこで糞をしてもそのまま下に落ちて処理されます。

・一部スノコ

居住空間の一部のみスノコになっており、

糞をする場所によってはそのまま残ってしまう。

豚は基本的にトイレを決めて生活するので、
スノコの上で糞尿をしますが、スノコ以外の空間でしてしまう場合もあります。

その場合は人力で集めてスノコから落としますが、
・リアルタイムで常に処理は出来ない
・100%完璧に取りきる事は難しい
という点から全面スノコと比較すると臭いが発生します。

餌が細かい豚舎

餌の形状にもいくつかの種類がありますが、
・加工が少ない
・大きさが細かい
という状態ほど、においが体に絡みつきます。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

餌だから”くさい”っていうよりはにおいが強いなーって感じだよ

餌は大まかに言えば
・加熱/圧縮加工してある状態
・原料に近しい状態
があり、原料に近い状態のほうが匂いは強いです。

細かい方が匂いが強い理由としては、
恐らく作業中に色んなところに付着するからだと思います。

細かい餌は基本的に小さい豚に与えるので、
離乳舎の作業をすると餌の匂いがこびりつきます。

養豚場で行っている匂い対策

様々な要素で臭いが発生しますが、
養豚農家もあの手この手で臭いを抑制しようとしています。

今回はその中からいくつかを具体的な方法を紹介しますね。

豚舎の換気口に臭気フィルターの設置

豚舎の換気口にフィルターを設置します。

その上でフィルターに常時水を通す事で、
臭いを水に吸着させ、外に排出する臭いの低減を図っています。

フィルター上ではなく、直接シャワーのように水を流し続け、
臭いを吸着させる方法もあります。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

どっちも水の消費量が結構えぐいよね…

豚舎の中でのオゾン噴霧

「オゾン層」とかのオゾンです。

オゾンには消臭・殺菌効果がある為、
天井などからオゾンを噴霧することで豚舎全体の臭いを抑える事ができます。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

オゾン発生装置と噴霧設備が必要だね

堆肥に消臭効果のある素材を混ぜ込む

堆肥舎で発酵前の堆肥にコーヒーや茶葉を混ぜ込みます。

・消臭効果により堆肥の臭いを抑制
・物理的に水分吸着の素材を増やす事での乾燥促進

という2つの効果が期待できます。

餌を変える

臭いを抑えるのではなく、
そもそも臭い自体の発生を低減する施策です。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

食べる物を変えれば出る物も変わるよね

植物性たんぱく質を多くする
・消化吸収を良い物に変え、無駄な排出を減らす

といった変更をすることで糞の臭い自体の抑制を図っています。

まとめ

如何だったでしょうか?

今回は養豚場の中で特に臭い場所について紹介してきました。

  • 一番臭いのは堆肥舎。それも積み上げる方式が最強。
  • ボットン便所式の豚舎は臭い
  • 一部スノコ式の豚舎は臭い
  • でも色んな手段で臭い低減を努力している

臭い問題に対して、
現場のリアルな意見をさらけ出している情報は、
多くないと思います。

(というか僕が調べた限りではありませんでした)

今回の記事を読んで、
・面白かったなー
・なるほどなー
と少しでも思っていただければ嬉しいです。

また、堆肥舎についてもう少し詳しく知りたい方は
堆肥舎の種類について解説という記事で纏めていますので、
気になるかたはそちらも是非覗いてみてください。

堆肥舎の種類について解説!【種類ごとの長所/短所】

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとう御座いました!

また宜しくお願いします~。

1 COMMENT

原山宏治

たまたまネット検索したら記事が目に留まりました。興味があったので読ませていただきました。
この質問は夢見る還暦過ぎの爺と思いお許しください。
生産者視点での「夢の120点の肥育庁舎」はありますか?

単純に無責任消費者側からの質問で申し訳ありませんが、飲食に生まれてから携わっているので食材としてどうしても見てしまいます。というのも❶飲食業に従事する者が8時間労働をして豊かな生活をするには?を考えた場合、昼時のお客さんが食事に来ない時間帯に生産者側の時間にする事ができないかとか。単純に今の技術と労力を体験してしまっていると発想が狭まります。ので「そんなことできるはずがない」となってしまいますし、聞く耳持たないという事でなかなか未来を変えられないと思います。おお!そんな発想もありか!という「せめぎ合い」があってもおかしくない。と思いますので首を傾げて生活しなければいけません。

聞くところによると、極端な話ロサンゼルスの平均年収は8000万円と聞きました。日本の世田谷区でさえ1000万円とするとなんと日本の低い事か!

期日を決め業界の垣根を取り対策を打ちトライする産業化に向かっているというような話の展開になればなんと楽しい事か!今の世代で無理かもしれないがせめて50年後には追いつきたい。

というような生産者側のビッグプロジェクトが考えられないのかな?と妄想してしまいました。

①生産者がこんな事できれば究極だよな!と思う未来の話があればいいなと思いました。

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