どうも!養豚場で楽しく勤務中、ぶたちゅうです!
豚肉、たべてますか?!
統計的には日本の豚肉消費量は一人当たり約12.4kg、
単純計算で週に1度程度は食べているかと思います。
あれ?でも豚肉ってどうやって作られるのかちゃんと知らないかも…
豚を育てて、と畜場で解体して・・・というところまではなんとなく知っていても、
詳しいところはわからないと思います。
そこで今回は、養豚場で子豚が誕生してから出荷までの流れを説明します。
こんな人にオススメです。
- 豚の誕生から出荷までの流れを知りたい
- 自分の食べている豚肉がどういう流れで作られたか知りたい
- 養豚場でどうやって飼育されているか知りたい
誕生からの流れではなく、養豚場の仕事の流れや1日の流れが知りたい場合はこちらをどうぞ!
【未経験/初心者向け】養豚場勤務の一日の流れってどんな感じ?【職種に分けて具体的に紹介】本編に入る前に少しだけ自己紹介させてください。
・ぶたちゅう といいます。
・IT業界歴10数年から未経験で養豚農家に転職して1年目、まだまだ豚の事は勉強中。
・勤務後にわかった面白い知識や雑学を皆に伝えたいと思い、ブログを開設。
実際に養豚農家で働いているから見える、現場の意見も交えつつ書いていくので、
是非最後まで楽しんでいってください。
では、本編スタート!
養豚場で豚が誕生してから出荷されるまでの流れ
まずはざっくりの流れを解説します。
豚は誕生から出荷まで、約180日前後で1サイクルになっている事が多いです。
品種や経営者のこだわりによって多少変わります。
※品種 = 育ちが早い品種、肉が厚い品種など、特徴があります。
180日齢は人間で言うと高校生くらい。元気が有り余っている年齢だよ!
そして180日間、同じ場所で飼育するわけではなく、
産まれてから出荷までの間に何度かお引越しをします。
成長段階に合わせた施設に引っ越すことで、快適に過ごす事ができて、
健康ですくすくと美味しいお肉になっていきます。
豚の誕生 ~産院~
豚は妊娠後、115日経つと生まれてきます。
3カ月と3週間と3日間です。
めっちゃ覚えやすい!
出産に関して驚いたのが、豚は妊娠から出産の期間が115日からほぼズレないということです。
ほぼってどれくらい?
2日遅れたら異常事態なくらい!
個人的な話をすると、初めて出産を見たときは感動がありました!
が、実際出産って毎日の事なので見慣れてきます。笑
今ではもう、近所の野球少年を見るおじさんのような気持ちで出産を眺めています。
お!今日もやってるね~!がんばれ~!
生まれた後の話に進みます。
生まれて直ぐの子豚は、1.5kgくらいでものすごくちっちゃいです。
そしてめちゃくちゃ可愛いです!笑
ただ、豚は未熟児の状態で生まれてくるので、
生まれてすぐにお母さんのおっぱいにたどり着くことがまず最初の試練です。
たどり着けないとそのまま弱って死んでしまうことがあるので、
床暖房などで暖かくして、体温が下がらないようにサポートしています。
誕生から離乳までの流れ ~授乳中~
無事お母さんのおっぱいにたどり着けた子豚たちは、
毎日ミルクを飲んですくすく大きくなります。
そのスピードは生まれた時の1.5kgから約3週間で7kgくらいまでに成長します。
(4.5倍!!)
そしてこの驚異的な成長速度に血液を作るスピードが追いつかず、
子豚は必ず貧血になります。
こんな可愛い生き物いますか?!
哺乳中の定期的にお母さんが「おっぱい飲むよー」と声をかけるので、
子豚達はおっぱいにフガフガ言いながら食らいつきます。
乳首咥えてぐりんぐりん顔を動かして「もっと出せよ」と刺激を与えながら飲みます。
さながらカツアゲのようです。
離乳日(生後3週間程度)が近づくにつれて、
徐々にお母さんのおっぱい以外も食べさせるようにします。
そうしないと、いきなりおっぱいから引き剥がされた時に何を食べていいか困ってしまうので、
事前に慣れさせておきます。
ようするに離乳食ですね。人間と一緒だ。
離乳食は子豚用の粉ミルクですが、
小さいお皿に皆で鼻を突っ込んで食べている姿もすごく可愛いです。
さて、いよいよ離乳です。
ここは人間の都合で強引に離乳します。
母豚と一緒にいるスペースからひょいひょいと集めて、
皆纏めて別の部屋に連れていきます。
ちなみに、離乳時は子豚と母豚のテンションの差がすごいです!
なに!?なにが起きてるの?ママ!ママー!!あー、連れていかれるー!!
なぜかいなくなったわね。まぁご飯でも食べようかしら
母豚は子供がいなくなると、あっさりと母親から雌に戻ります。
(4日後くらいに再度発情します。笑)
その後の子豚達ですが、離乳舎という場所に行きます。
子豚たちだけの小学校的な場所です。
離乳から子豚までの流れ ~小学校~
離乳舎に入ってすぐの子豚達は基本的にビビってます。
ここどこ!?
お母さんがいない!?
知らない子たちと一緒の部屋?!
ということでいきなりわけわからん事のジェットストリームアタックなので、超絶ストレスです。
なので、このストレスをいかに最小限に抑え、
たくさん餌を食べさせるかが離乳舎最初のポイントです。
その為、離乳作業自体も驚かせないようにやりますし、
移動後はなるべくお母さんのミルクに近いものをあげます。
ほら、こっちにおいで。あそこに美味しい食べ物を用意してあるから部屋に入りなよ。
あと、きみがお母さんはいないけど、
お母さんのおっぱいは食べられるように準備してあるからね。
安心してね。
人さらいと同じ声掛け方法です。
ミルクの近い餌は具体的に言うと、粉ミルクをお湯で溶いたものです。
これを1日複数回やります。
余談です。
お湯で粉ミルクを溶いてあげる作業を数日間続けると、豚たちはめちゃくちゃ寄ってくるようになります。
『餌くれるおじさんが来た!』みたいな感じで、
部屋に入るとがーっと寄ってくるので超可愛いです。
一番最初の『知らないおじさんが来た、逃げろっ!』というビビっている姿から、
数日間でこのベタベタになるギャップがたまりません。
生後3週間程度で離乳舎に来る子豚たちは、
約6~7週間程度、ここで育ちます。
7週間後(生後10週間)には約30kgまで成長し、離乳舎を卒業していきます。
子豚から出荷までの流れ ~高校~
ついに出荷までの最後の工程です。
もうここではひたすら飯を食わせるのみです。
寒すぎないか暑すぎないか、ご飯は足りているか、水は足りているか、いうところをチェックしつつ、
日々しっかり成長していく彼らを見守ります。
ちなみにこの時期だともうふてぶてしくなっているので、
離乳舎に入った直後ほどビビりません。
移動直後からもりもりご飯を食べます。
食べる量は大体1日に2キロ~3キロくらい。
3キロはトイプードル1頭分くらいです。
そしてついに出荷です。
早い子だと140日、遅い子だと180日ぐらいで出荷になります。
実際の日数は品種や餌の種類や量、気温や設備によっても変わります
年齢としては人間で言うと、肥育舎に入ってくるときが中学校、
出荷タイミングで高校ぐらいです。
体重は 115 kg 前後が一番美味しくなるタイミングなので、
体重測定して、その体重になるタイミングで出荷します。
まとめ
如何でしたでしょうか?
今回は豚の誕生から出荷までの流れを纏めました。
- 出産:115日で出産。未熟児で生まれるので人のサポートが必要。
- 哺乳:お母さんと一緒に過ごし、ひたすらおっぱいを飲み続ける。
- 離乳舎:生後3週間で移動。子豚たちの小学校的なイメージ。
- 肥育舎:ひたすら食べる時期。中学校(生後10週間)で入学、高校(生後6か月)卒業で出荷。
皆さんがいつも食べている豚肉は、こういう工程を経て生産されています。
流れを知って、豚肉を安心して食べることに繋がったり、
より豚肉に興味を持ったりしていただければ嬉しいです。
どの工程でも愛情をもって「豚が快適に過ごすためには!?」を考えつつ、育てていますので、
美味しい豚肉を今後も楽しんでくださいね!
それではまたお会いましょう!
100日豚関連のTwitterから来ました。爽やかなHPで、フォントやイラストや美しい写真の選び方で、とても読みやすくためになりました。
一消費者ですがAWFに関心があり、妊娠ストールの是非や、スーパーで買って来た豚肉が時々臭う理由も知りたいので、これからもちょくちょく遊びに来ます🐽
カステラさん
コメントありがとうございます。
すごく励みになります!
学びになる内容を面白く纏めれるように頑張ります!