
分娩舎って、子豚だけじゃなくてお母さん豚のお世話もあるんだよね?

そうだよ!
OK!じゃあ今回は分娩舎で母豚にどんなお世話をするのか、詳しく説明していくね!
分娩舎の仕事は、大きく分けると子豚のお世話と母豚のお世話があります。
子豚の話は別の記事で紹介したので、ここでは母豚に対して人がする仕事を説明します。
こんな人にオススメです。
- 養豚の仕事内容に興味がある
- これから養豚の仕事に就きたい
- 今まさに豚飼いライフをスタートさせた
- 分娩舎のノウハウを磨きたい
今回の記事を読んでいただければ、
・分娩舎で母豚にどんなお世話をするのか
・分娩の前後で気をつけること
・仕事のやりがいと苦労
を理解することができます。
僕は分娩舎で分娩介助以外の仕事をしていたので、その実体験も交えて解説していきます。
農場によってやり方は違うので、ひとつの例として読んでくださいね。
ということで本編に行きたいんですが、
その前に少しだけ自己紹介させてください。
ぶたちゅうと言います。
IT業界から未経験で養豚場へ転職し、5年間働きました。
今は養豚DXスタジオとして色々な養豚場と関わりながら、
未経験の転職者や養豚初心者の助けになればと思って、現場で学んだ事を纏めています。
それでは本編スタート!
1.母豚のお世話で一番大事なこと

先に結論から言っちゃうと、母豚にしっかり食べてもらって、できるだけ消耗させないことです。
母豚が元気だとお乳をしっかり出せるので、子豚も大きく育ちます。

お母さんの調子が、そのまま子豚に出るんだね!
そうなんです。
しかも哺乳中の消耗が少なければ、比較的健康なまま離乳できて、次の種付けや分娩もうまくいきやすくなります。

いかに気持ちよく過ごしてもらうかが勝負!
2.毎日の作業の流れ

毎日の基本は、この順番です。
- 餌残りのチェック
- 給餌(餌の量の調整もします)
- 調子の悪い母豚がいないかの確認
- 糞かき
糞かきは、スノコの上に残っちゃった糞を、スノコの下に落とす作業です。
餌やりは1日2回が基本で、季節によっては3回、4回になります。

季節で回数が変わるの?
夏の母豚は、暑くてあんまり食べられなくなります。
なので少しずつ、回数を増やしてあげます。
あげる時間も大事で、朝や日が落ちてからの涼しいうちにあげるようにしていました。

人間も暑いと食欲なくなるよね。豚も同じ!
餌の工夫に加えて、特に暑がっている母豚には水をかけて冷やしてあげます。

ここから先は、その日の状況次第です。
- 分娩予定日を過ぎた母豚へのプロスタグランジンの注射(分娩を促すため)
- 分娩後の母豚へのオキシトシンの注射(胎盤の排出を促すため。僕のいた農場では全頭に打っていました)
- 難産の母豚の介助(コツがいる作業なので僕は担当していませんでした)
- 調子の悪い母豚の治療
- 水洗や消毒
薬の使い方は農場によって違うので、職場のルールと獣医さんの指示に従ってくださいね。
3.分娩前にやること

分娩予定の1週間ほど前に、母豚を分娩舎へ連れてきます。
環境が変わると、餌を食べなくなっちゃう母豚もいます。

繊細なんだね…
そんな時は前の豚舎の餌を混ぜたりして、なんとか食べてもらえるように工夫します。
分娩前に、P2という数値を測ります。
P2とは、背中の特定の場所の脂肪の厚さのことです。超音波の測定器や、キャリパーという体の太さを目安にする器具で測ります。
分娩前と離乳後の両方で測ると、哺乳中に母豚がどれだけ消耗したのかを数字で見られるんです。

見た目の印象だけじゃなくて、数字で分かるのがいいところ!
産む直前になると、母豚は餌を食べなくなります。これが予兆のひとつです。
あとは、おっぱいをつまむとお乳がにじみ出てくることもあります。
4.分娩中の対応
子豚は十数分から30分に1頭くらいのペースで産まれます。ただ、母豚によって幅があります。

もし次の子が出てこなかったら?
僕のいた農場では、30分たっても次の子豚が産まれなければ、スタッフが手を入れて介助していました。
消毒液を混ぜたローションを手につけて、お腹の中を傷つけないように気をつけてやります。
手が小さい人の方が有利なんですよ。
これは現場の様子の紹介で、手順の説明ではありません。
介助は自己判断でせず、必ず先輩や獣医さんの指導を受けてくださいね。

難産のときは獣医さんを呼ぶの?

僕のいた農場では、基本は社内のスタッフで対応していたよ。
難産は当たり前に起きるから、そのたびには呼べないんだ。判断は農場のルールに従ってね。
5.分娩後の餌の増やし方
分娩後は、食べる餌の量を1日1kgくらいずつ増やしていきます。
子豚が大きくなると飲むお乳の量も増えるので、母豚が負けないように食べる量を増やしてあげるんです。

食べてくれなかったらどうするの?
そんな時は、こんなことをして刺激を与えていました。
- 一時的に餌の量を減らす
- 一度食べさせないようにする
- 交配舎(ストール)の餌をあげる
ただし、食べない原因が病気のこともあります。
体調も確認して、先輩や上司に相談してください。増やし方や量も農場によって違うので、職場のやり方を確認してくださいね。
6.やりがいと苦労
母豚が元気でお乳をしっかり出して、子豚が大きく育っていくのを見るのが嬉しいです。
しっかり食べさせて消耗を抑えられると、その母豚の次の種付けや分娩にもつながります。

母豚に気持ちよく過ごしてもらえた時は、やりがいを感じるよ!
一番ショックだったのは、難産に気づかず、子豚が全頭死んでしまった時です。
誰もいない夜中にお産が始まって難産になると、助けようがありません。
それでも、やっぱり悔しいし悲しいです。
調子の悪い母豚を見逃して、悪化させてしまったこともあります。
チームで動く仕事なので、「調子が悪い」とはどういう状態かを言語化してルールにし、全員で同じように気づけるようにするのは苦労しました。

母豚って、意外とおっきいです。
動物園にいる豚の3倍はあるし、200kg以上になる豚もいるので、最初は面食らうかもしれません。

そんなに大きいの!?

でも好奇心旺盛で人懐っこい子も多いから、きっと楽しいよ!
まとめ
最後に、今回の内容をおさらいします。
- 母豚のお世話で大事なのは、しっかり食べてもらい、消耗させないこと
- 毎日の基本は、餌残りのチェック、給餌、体調の確認、糞かき
- 夏は少量ずつ回数を増やし、涼しい時間に餌をあげる
- 分娩前は移動後の食欲とP2を確認し、分娩後は餌を少しずつ増やす
- 母豚の調子は、子豚の育ちと次の分娩につながる
分娩舎全体の話と、子豚のお世話はこちらの記事で紹介しています。
農場で使う計算式や記録の話は、農場の数字と記録のカテゴリにまとめています。
それでは、最後まで読んでいただきありがとう御座いました!
本ブログでは養豚場の仕事内容や雑学、
豚に関する知識を発信しています。
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