豚の餌って何食べさせたらいいの?
何かいろんな形があってよくわかんないんだけど…
OK!じゃあ餌の形状とその特徴について解説していくね!
今回は豚の餌について解説していきます。
但し、餌については非常にたくさんの要素が絡み合っているので、
今回は形状についての解説記事となります。
他の要素については別途纏めますのでお待ちくださいませ。
こんな人にオススメの記事です。
- 養豚場ではどんな餌が使われているのか知りたい
- 豚の餌にどんな形状があるのか知りたい
- 餌の形状によるメリット/デメリットを知りたい
今回の記事を読めば、
・どんな形状の餌があるか
・どんな意図でその形状を選ぶのか
・その形状を選ぶとどんな変化が発生するのか
がわかります。
ということで本編に行きたいんですが、
その前に少しだけ自己紹介させてください。
ぶたちゅう と言います。
IT業界から養豚業界へ転職し、日々豚について勉強中。
自分と同じような未経験者での転職者や
養豚初心者の助けになりたいと思い、
毎日の業務の中での疑問や学んだ事を纏めています。
それでは本編スタート~!
養豚場で使われる餌とは?
餌は大きく分けると粗飼料と濃厚飼料の2種類があります。
・粗飼料
牧草などが中心で作られており、草食動物(牛や羊など)の餌になる。
・濃厚飼料
トウモロコシや大豆、米ぬかなど、様々な原料が配合されている。
さらに必要なビタミン等の栄養素も混ぜこまれており
雑食性の動物(豚や鳥など)の餌になる。
そして粗飼料、配合飼料の中で
形状によってさらに分類されています。
これからそれぞれの解説をしていきますが、
粗飼料については専門ではないので、
わかりやすくまとまっているサイトを貼っておきますね。
さて、濃厚飼料の分類ですが、
基本的に使われるのは3種類です。
全体像としてはこんなイメージ
・マッシュ
トウモロコシなどの原料を細かく砕いたもの
・ペレット
マッシュ状の餌を型に流し込み、加湿処理をして固めたもの
・クランブル
ペレットにした後、再度細かく砕いたもの
上記が中心ですが、
もっと小さい豚にはこういった物を与える場合もあります。
・微粉(非常に細かい粉)
・顆粒(微粉を粒状に固めたもの)
砕いたり固めたり、それで何が変わるの?
OK!じゃあ次にそれぞれの特徴を説明していくね!
餌の形状によるメリット/デメリット
エサの全体像がわかったところで、
次は形状によるメリット/デメリットを解説します。
こちらも図解しました。
豚も好きだし消化率もいいし、
価格以外はクランブル最高じゃん!
実はこれ以外にデメリットもあったりするんだ!
それは粒を細かく砕きすぎると胃潰瘍になる事です。
理由を詳しく説明しますね。
◆消化/吸収が良い理由
・粒が細かい為、胃液に触れる表面積が大きくなる
・胃の全体に広がる事で、満遍なく胃液に触れる事ができる
◆胃潰瘍になる理由
・満遍なく広がる事で胃液が胃全体や他の器官との境目まで広がり、炎症を起こす
・胃の中に留まる時間が短いので胃液が直接胃壁に触れている時間が長くなる
長所短所が完全に表裏一体だね
他にも
・消化吸収が良すぎて消化器官があまり発達しない
・細かすぎると上手に食べられない個体がいるので成長がバラつく
といったデメリットもあります。
実際の現場で餌を選ぶときの判断基準
結局はどの餌がオススメなの?
施設や豚の状況によって変わってくるから絶対にコレがオススメ!っていうものはないんだよ。
実際の現場の状況と判断するパターンをいくつか解説するね!
先程も説明した胃潰瘍の可能性があります。
食滞+黒い便が出ていたら可能性濃厚なので、
餌を粗くしてあげます。
胃潰瘍で胃から出血する場合、その血が固まって黒い便となって出てきます。
なのでそれが判断材料にできるんです。
クランブルからペレットやマッシュへの変更、
または同じクランブルでも砕き方を粗くする、という方法もあります。
具体的には400ミクロン(μ)=0.4ミリ以下だと胃潰瘍が増えるデータがあります。
消化吸収が効率的に出来ておらず、
摂取したものが多く糞になっている可能性があります。
吸収率を上げる為、
・ペレットにする
・クランブルの砕き方を細かくする
という方法があります。
これはペレットの場合に発生する問題ですが、
粒が粗い為、後付けで栄養素を添加する場合に均一に混ざりません。
そうすると個体間で差が出てしまうので、
クランブルやマッシュへの変更を検討します。
糞は多くないけど浄化槽の調子が悪い、という場合があります。
浄化槽の調子が悪いとは汚れた水が多く流入している事であり、
糞尿の様子が普段と違う可能性があります。
例えば、尿と一緒に大量にエサが流れている、などです。
クランブルは水に溶けやすい為、豚がエサや水で遊んでいると、
そうなる可能性があります。
そんなときは豚の様子を確認する事に加え、
エサのマッシュへの変更を検討しましょう。
ブリッジとはエサが細かすぎて詰まってしまう事です。
その場合はクランブルの粒度を粗くしてやるといいでしょう。
まとめ
如何だったでしょうか?
今回は餌の形状について解説してきました。
- 大別すると粗飼料、濃厚飼料の2種類
- 濃厚飼料には形状により、マッシュ、ペレット、クランブルがある
- 基本的にはクランブルが消化率、嗜好性共に良い
- でも実際には豚の状況に合わせて餌を検討する
同じ餌でも形を変えることで、
豚の嗜好性や消化吸収が変わります。
少しでも豚が過ごしやすいように、
餌の形状も工夫しつつ飼育していきましょう~
餌についてはこちらの記事でも纏めているので、
是非チェックしてみてください。
それでは本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
またよろしくお願いします~