農場HACCP / JGAPについて解説【取得した効果をぶっちゃける】

ねえねえ、ぶたちゅう~
農場HACCPとかJGAPとかあるけど、それって何なの?

あと、取得するとどんなメリットがあるか気になるんだけど…

ぶたちゅう
ぶたちゅう

OK!じゃあ今回は農場HACCPとJGAPについて詳しく解説していくね!

畜産関係で働いている人以外にも、
畜産物に貼ってある農場HACCPやJGAPのシールを見た事がある人は多いでしょう。

ただ、それって何なのか、説明できる人は殆どいないと思います。

そもそも農場HACCPとJGAPが何かわからない上に、
2つもあるので、違いがわからず余計に混乱する…

僕も最初はそうでした。

そこで今回は農場HACCPとJGAPについて、
2つの違いを含めて解説すると共に、
『ぶっちゃけ取得して意味あるの!?』を現場視点で紹介していきます。

こんな人にオススメの内容です。

  • 「農場HACCP、JGAPって何なの?」をさくっと理解したい
  • 2つの認証の違いを知りたい
  • 取ることでのメリットを知りたい

今回の記事を読んでいただければ、
・農場HACCPとJGAPの全体像
・取得するとどんなメリットがあるのか
を理解することができます。

ということで本編に行きたいんですが、
その前に少しだけ自己紹介させてください。

書いているのはこんな人

ぶたちゅう と言います。
IT業界から養豚業界へ転職し、日々豚について勉強中。

自分と同じような未経験での転職者や
養豚初心者の助けになりたい
と思い、
毎日の業務の中での疑問や学んだ事を纏めています。

それでは本編スタート!

1.農場HACCPとJGAPの違いを30秒で比較

「農場HACCPとJGAPって、どっちが何だったっけ?」
そんなふうに、名前は知ってるけど違いがあいまいな人のために、
まずはサクッと概要を解説します。

余談です

HACCPの読み方はハセップ、ハサップどっちでも正しいです。

僕の印象では、
公的機関の人はハサップ、
現場や獣医さんはハセップって呼ぶ事が多いように感じます。

1-1.どんな認証?を一言で

ひと言でいうと…

  • 農場HACCP:食べ物を安全に作るための仕組み
  • JGAP: 安全 + 環境 + 労働 + 法令順守まで含む農業の総合管理方法

ん?農場HACCPは食べ物しか見ないってことは
超絶ブラック企業でも取得できるってこと?

ぶたちゅう
ぶたちゅう

筋としてはそうなんだけど、
実際には人手の確保や教育が足りてないと安全な食べ物は作れないから、
ある程度はそのあたりについても認証基準があるよー。

つまり、農場HACCPは“食品安全に特化”、
JGAPは“より広い視点で農場運営を管理”する仕組みになります。

1-2.対象範囲などを早見表で比較

早見表にするとこんな感じです。

文字が多くてぱっと見わかり辛いんですが、
要するに、一緒の部分は殆どなく、全然別物なんです。

こう比較すると、”対象とする範囲”も”推進機関”も違うし、
”更新期間”も違うので、まったく別の認証という事が理解できますよね。

ところで「更新頻度」のとこの維持審査ってなに?

ぶたちゅう
ぶたちゅう

認証審査とは別に、「決めたルールをちゃんと守っててますかー?」という審査の事だよ。
どちらも、更新までの間に受ける審査だよ!

唯一同じ項目は、法律的な位置づけです。
表の通り、どちらも強制力はありませんが、
販売先の要望や補助金の要件として求められることが増えてきてはいます。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

ちなみにJGAP(畜産)ができた背景には、東京オリンピック・パラリンピックの「持続可能性」っていうテーマもあるんだよ!
最近だと大阪・関西万博の調達コードにも採用されてるしね~

2.農場HACCPとJGAPはこう重なる【図解】


さて、「全然別の認証だよ」ってところを説明してきましたが、
なぜごっちゃになってしまうのか。

その答えはこれです。
別の認証なんだけど“内容的には重なる部分”が多い。

まずは直感的に理解できるよう、図で見てみましょう。

2-1.まずは図で確認

この図のように、範囲だけで見ると、農場HACCPはJGAPの中にスッポリ入る構造です。

ただ、この図でわかるのはあくまで「範囲」の話。
どこまで深く見るかは、また別の話なんです。

ん?ってことはJGAPさえ取得しちゃえば、
農場HACCPはいらなくない?

ぶたちゅう
ぶたちゅう

領域としてはそうなんだけど、
農場HACCPはさらにそこを深堀している事に意味があるんだよ!
JGAPは広く、農場HACCPは狭く深く、ってイメージだね!

2-2.重複項目5つを実例で説明


では、実際に重なっているのはどんな部分か見ていきましょう。

食品安全と人材教育の中には複数の細かい項目があり、
以下は、両認証に共通する代表的なチェック項目5つです。

文字が多くて読むのめんどくさい…

ぶたちゅう
ぶたちゅう

ざっくりまとめると、
“農場、商品を安全に保つ仕組み”が共通しているんだよ!

つまり、表面的な部分や認証の内容自体は違っても、
本当に大事にしたい根幹の部分が共通していると言えます。

なので、農場HACCPを意識している農場なら、JGAP取得へのハードルも低くなります。

しかも農場HACCPを取ってると、JGAPの審査で被ってる部分は省略できちゃいます。
日本GAP協会の差分文書(2024年1月発行)の項目を数えてみたら、92項目のうち25項目が審査なしになってました。

3.ぶっちゃけ取得して意味あるの?


ここまでは制度自体の事とそれぞれの違いを説明してきましたが、
いよいよ皆さんが一番気になっている本題です。

『ぶっちゃけ取得しても現場的に意味あるの?』です。

3-1.結論

僕の主観にはなってしまいますが、正直めっちゃ意味あります!!

もちろんめんどくさい部分もありますし、
「ん?」って思うような項目や規定もありますが、
トータルで見れば組織としての成長には大きく寄与してくれるシステムになっています。

じゃあ”具体的にどこが?”って話を、
対外的な部分、社内的な部分に分けてお伝えしていきます。

3-2.対外的な部分

これはすごくわかりやすいんですが、
やはり取引先から取得をお願いされるケースがあります。

特に大手取引先だと当然のように取得している事を求められます。

これに関しては、取得することで信用があがるというよりは、
取得していないと交渉のテーブルに登れない、という感覚が近いです。

求められる取引先との交渉を蹴って、
他の売り先があるならば取得しなくても問題ないでしょう。

ただ、時世的には今後も増えていくでしょうし、
現実問題としてどこかで取得しないと、取引先の確保、拡大は難しいと考えます。

ぶたちゅう
ぶたちゅう

逆に小規模な取引先が中心だったり、基本的に自前で売り切るような養豚場であれば、
ここのメリットは薄いよね!

3-3.社内的な部分


僕としては社内にもたらす効果の方が大きいと考えます。
まず、ざっと並べるだけでこんな効果があります。

従業員がレベルアップする


認証の取得に向けてシステムを構築していきますが、
その段階で安全に対する考え方が進化します。

今まで特に気にしていなかった部分に対し、
リスクがあったこと、対策を講じれば防げる事が理解できるようになり、
結果的に従業員の考えるレベルが上がります。

つまり構築すること自体が従業員教育の一環になります。

作業のマニュアル化ができる


農場あるあるだと思いますが、作業内容が言語化できておらず、
口伝や一子相伝、時には完全に属人化され、他の人ができない作業があると思います。

そしてそんな作業を引き継ごうとした場合、こう言われるはず。

ベテラン職人
ベテラン職人

臨機応変にやんなきゃいけないからマニュアルは作れねぇ。

俺の背中を見て覚えろ。

そうなんです。
ベテラン社員になればなるほど、この意識が強いと思います。
ですが、これがマニュアル化できます。

マジで?!絶対できないでしょ!?
ってかやってくんないでしょ!?

そう思いますよね。
でも違うんです。

実はマニュアル化できないのは、臨機応変という言葉を隠れ蓑に、
言語化をさぼれてしまっているだけです。

まぁその人が悪いというより、言語化しなくても回っちゃう環境が問題だったり、
言語化できるレベルまで作業を理解できていなかったり、ってことが多いんです。

これを農場HACCP、JGAPに取り組む事で、
強制的にマニュアル化しなければいけない状況を作りだせます。

ということはさぼってるならお尻を叩けるし、
作業理解が足りないならば向き合って考える機会が創出できます。

なので、「できない」から「どうやったらできるか」に外部要因で変化させられるのが、
マニュアル化が進む要因です。

PDCAを回す癖がつく

農場HACCPもJGAPも認証をとったら終わりではありません。

何かトラブルが発生した際や、
改善点が見つかった際、システムを改修し、より良い物に進化させていく必要があります。

つまり強制的にPDCAサイクルを回す仕組みができているんです。

この仕組み、口で言うのは簡単ですが、
自発的にそれができる人材はなかなか多くありません。

という事で外部機関の認証という手を借りて、
PDCAを回さなければいけない癖付けをしてしまうのです。

これにより自律的な組織に一歩近づく事ができます。

 

ざっと並べましたが、代表的なメリットだけでもこれだけあります。

これらの要素により、
取得することで組織としてのレベルが間違いなく上がるんです!

3-4.農場HACCPとJGAP、どっちを取得するべき?

まず大前提として、取引先から指定があるならそれを取っちゃいましょう。

指定がなくて、社内的なメリットだけに絞っていえば、
まずは農場HACCPの取得をお勧めします。

というのも、JGAPの方が範囲が広い分、
めんどくさいんです。

今あげたメリットは、正直農場HACCPだけでもある程度享受できます。
もちろんJGAPも取得した方がより体系立てて学べる部分はありますが、
めんどくさいし、「これ、うちの農場に関係なくね?」の項目も増えてきます。

なので、まずは農場HACCP取得を目指していきましょう!

なんなら、1度取得してPDCAの癖が理解できれば、
取引先から求められていない限り、次回以降更新しなくても会社組織としては自律して安全性を高めていけるとすら思います。
(もちろん更新しなかったら認証は名乗れなくなるので、そこは割り切りが必要ですけどね)

まとめ

如何だったでしょうか?

今回は農場HACCPとJGAPの概要と、
ぶっちゃけ取得する意味があるのか、について纏めてきました。

  • 農場HACCPは食品安全、JGAPはさらに労働安全等にも言及した認証
  • でも2つの中で被っている項目はある
  • ぶっちゃけ取得に意味はあるしなんならおススメ

なんだか小難しいしよくわからんイメージのある、
農場HACCPとJGAPですが、実は相当価値がある認証だと思っています。

もし取得に向けて進めたいけど何やっていいかわからん、という方はお気軽にコメントやメールをください。

農場でこれらを推進する過程で指導員資格を取得しているので、
現場的な意見も交えつつ、取得に向けてアドバイスはできますよ!

それでは、最後まで読んでいただきありがとう御座いました!

本ブログでは養豚場の仕事内容や雑学、
豚に関する知識を発信しています。

よければ他の記事も読んでみてくださいね。

あなたが『役に立ったな~』と感じて、楽しんでいただければ嬉しいです。

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